ホストクラブに通い、枕営業をさせまくった
休日のルーティンは、例えば次のようなものだ。
朝起きて、まず歌舞伎町のホテルを予約。行きつけの銀座の美容室でヘアセットをして、新宿のネイルサロンに向かう。その後、喫茶店の「ルノアール」でタバコをふかして休憩を挟む。
ホテルにチェックインした後、赤やピンクの派手なワンピース、足元はピンヒールに身を包み、営業開始を見計らってホストクラブへ向かう。初めての店しか行かない、というのが山田のマイルールだった。
店内では次回の来店や指名を匂わせ、すぐに釣れそうなカモを探す。枕営業に乗ってきそうなキャストに声をかけ、営業終了後にホストと合流し、自身のホテルに連れ込みセックスをする。この手順で周った店は300店舗近くにのぼった。山田は約3年間、ひたすらに快楽を享受する生活を続けた。
風俗嬢はホストにとって上客だが、彼女はその立場をあえて早々に打ち明け、捕食者となった。しかし、「ホスト遊びが純粋に好きだったというわけではない」と山田は言う。怨嗟に近い感情が行動の根底にあった。
「自分の力で大金を稼げるようになり、少し自信を持てるようになった。客やホスト、SNSのユーザーから『可愛いね』と褒められる機会も増えていきました。私をイジメていた男やバカにしていた奴らを見返せるほどキレイになってやる、と復讐心のようなものがあった。
だからホストにもカネを払わなかったし、外では奢らせていた。ホストに貢ぐのではなく、逆に貢がせる女になる。当時は、仕事でもプライベートでも数え切れないくらいセックスをしました。それは、私の女としての価値を証明するものだと考えていました」
山田は自身の半生を小説にしていた。私が山田から託された私小説は、A4ノート6冊にも及ぶ。『裏社会の女』と題して自身の歌舞伎町での生活を記したその小説のなかに、こんな一節があった。
《私はここ歌舞伎町で本当の自分を探しに来た。
そして見つけたのだ。本当の自分は恨みを晴らすために生きている。
私は鏡の前で立ち止まる。今日も私は完璧にキレイ?
後ろからベンチに座る男が話しかける。
「本当にキレイだね」
私は何か足りないところはないかと自分を見つめる》
(注:一部ひらがなを漢字に変換)
