「お寺へのお布施が5000円、ご本尊さんへのお供え物として2、3000円のお菓子、お花とお線香で3000円。交通費だって往復で2000円ぐらいかかるんです。お墓参り1回で1万2000円は必要ですから」

「帰ったときは1万円札が消えているもの」

 5月と11月は大学病院の検査と診察。歯科医院での定期検査で医療費がかさむ。

「2年前に初期の胃がんが見つかりまして。手術で胃の4分の1を切除したんです。これでがんは完全に取り切った、リンパ節への転移もなかったということですが、術後5年間無事でいられないと完治とは言えないそうです。3か月に1度通院して診察してもらっているのですが、5月と11月は腹部のCTを撮ってもらい、内臓の状態をチェックしているわけです」

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 今の状態は、悪くはないが良くもないということだ。手術後は体重が5kgも落ち、筋力も弱くなって何をやってもすぐに疲れてつらかった。今は戻ってきたが前のような調子ではない。年齢も2歳老けたのだから尚更だ。

「病院代が高くてね。年齢がまだ60代なので、負担割合は現役世代の3割でしょ。支払う額は再診料、血液検査、CT撮影の合計で約9000円もするんだよ」

 私鉄とバスを使うので交通費は往復で820円。10時の予約でも1時間遅れるのが当たり前、会計を終えて病院を出るときは13時を回っている。

写真はイメージ ©getty

「病院の近くにある食堂で遅いお昼を食べるけど、一番安いカレーライスでも700円です。帰ったときは1万円札が消えているもの」

次の記事に続く 「結婚した娘とは疎遠」「コテッと逝きたい」長生きしてもいいことがない⋯69歳男性が「あと6年で死んでもいい」と考えるワケ