父の厳しい教えを受けて美容院経営に参画

――今は家業である美容室チェーン「EXCEL」の経営にも参画されています。もともと継ぐ予定だったんですか?

井口 父から、25歳になったら芸能界をやめてEXCELに入ってほしいと言われていたんですけど、自分がEXCELで何の役に立てるのかもわからないのに、「娘だから」といって経営に入るのはそれこそスタッフに失礼だし、いい気持はしないだろうなと思っていて、当時は入社を考えられずにいました。

 ただ、私が芸能界で培った人脈でヘアメイク講座をできたり、ノウハウなどで還元できることもあるのではないかと思うようになって、今は美容院の経営と芸能のお仕事を両立してやっているところです。

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――家族経営ならではの難しさもありますか。

井口 父はかわいがってくれている分、すごく厳しいです。ビジネスについては全く甘やかさないので。

 逆に家族だからこそ伝え方に気を遣わないので、「だからお前はこうなんだ」「それ関係ないでしょ!」みたいなのはしょっちゅうですね(笑)。

 ただ、私もほとんど会社員経験はなかったので、そこは真摯に学ばないといけないと思っています。

――バイトもあまりしてこなかったそうで。

井口 「帰るのが遅くなるし、悪い虫がつくからやらなくていい」って言われてきて。父は本当に極度の心配性なんです。

 

交渉ごとやビジネスメールなど、まだまだ勉強せねば

――彼氏ができた時は大丈夫なんですか。

井口 全然大丈夫じゃなかったです。

――じゃあ内緒にして。

井口 もちろん。でも、学生時代は携帯も普通に見られてたので、すぐバレちゃうんですよ。だから、リスみたいに家のいろんなところに携帯を隠して、自分でもどこに隠したか分からなくなるみたいな感じでした(笑)。

 最初に彼氏がバレた時は、「半年以内に別れろ」って言われましたね。

――どんな人だったらいいんですかね。

井口 どんな人でも駄目だったと思います(笑)。今でも「綾子は結婚しないもんね」みたいに言われますけど、さすがに父も65歳になって、自分がいなくなった後も家族が幸せに暮らしていってほしいことは、頭ではわかってると思います。

――経営に入って難しさを感じているところは?

井口 財務などの実務的な知識は学べば身につきますが、それ以上に大切だと感じているのが、人との信頼関係づくりや意思決定の部分です。業者さんとの交渉や多くの方の考えを理解しながら最適な判断をしていくことは、経験を通して磨いていかなければいけないことがたくさんあると思っています。

 今はナフサ不足の影響で薬剤やカラーの時に使う手袋などが入手しにくくなっています。人手不足も深刻ですし、物価高騰の波もあり、大変な時代に入っているなと感じます。

 そんな中でも、創業者である祖父母の思いを引き継ぎ、経営を担ってきた経営者としての父はやっぱりすごいな、と思いますね。