釜山映画祭のスタッフと韓日女子会

【5月21日(木)】映画祭10日目。先週は肌寒く、ようやく天気が良くなってきたと思えば映画祭も終盤で、映画見本市のマルシェが終わり人が減ってきた。ちょっと取材をしてから、コンペのスペイン映画『La Bola Negra(ブラックボール)』。構成が複雑で最初は混乱したが、演劇史を研究する現代のゲイの青年、スペイン内戦でフランコ側にいた祖父の秘めた恋、そして虐殺されたロルカの未完成の戯曲、という3つの話がどんどん入れ替わる。若き祖父と戯曲の主人公は絵に描いたような美男子だが、現代を生きる青年は冴えないルックス、というのが、妙にリアリティを感じる。愛は、美男子だけのものじゃないよね。今年は日本だけでなくスペイン映画もコンペに3本あり、この映画は若手監督コンビ、ハビエルズ(ハビエル・アンブロシとハビエル・カルヴォ)のもので、制作にペドロ・アルモドバルが入っている。登場場面は少ないが、ディートリッヒを思わせる女優役ペネロペ・クルスが抜群に上手い! あまりに良いので、彼女の物語をもっと観たいぞ。目眩く展開だけど、2時間35分はやや長く感じた。『急に具合が悪くなる』は3時間超なのに気にならなかったから、映画の構成のせいかな。

 夜(といってもまだ明るい)は明日帰るという釜山映画祭マーケット部門ACFMスタッフたちの部屋で韓日女子会。どんな料理も作れてしまう魔法の腕のスタッフがいる釜山って最強なのでは?! 彼女らはとても食を大切にしていて、文化人だなあと思う。海の見える部屋で、いろんな裏話を聞けて超楽しかった。ちなみにACFMの代表エレンと私は、双子と言われるほどそっくりらしく、カンヌではしょっちゅう彼女に間違われる。説明する間のないことも多く、立派な妹の評判に傷がつかないよう、常にニコニコして応じる不肖の姉マダムアヤコ(別人格)なのだ。齋藤敦子さんの訃報でここ数日沈みがちな気持ちが、明るくなる。感謝。

韓日女子会(撮影:筆者)

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 食事の後22時15分、コンペ作品『COWARD』の試写へ。第一次大戦に従軍したベルギーの若者2人が、慰問部隊の演劇を通して恋に落ちる。今年はクイア映画がとても多い印象だが、これは特に良いなあ。臆病者というタイトルの通り繊細なんだけど、繊細すぎない感じ。『CLOSE/クロース』で4年前にグランプリ受賞のルーカス・ドンがまた何か取りそう。2時間ぴったりは疲れた体にありがたいが、またも上映終了は天辺越え。