26歳のときに早発閉経の診断を受け医師から「子どもを産めないかもしれない」と告げられた千種ゆり子さん(38)。
29歳のときに不妊治療を断念する決断をしたが、「子どもを産めない自分は結婚もできるはずがない」と思いつめていたという。後に夫になる男性との意外な出会いや、出産が難しいことを打ち明けたときの反応、そして「今でも子どもを産めない自分を受け入れきれてない」と語る背景について聞いた。(全3回の3回目)
◆ ◆ ◆
——千種さんは独身で不妊治療をしていたのですよね。当時パートナーはいらっしゃったのでしょうか。
千種 治療している間にも付き合ってた人はいて、早発閉経のことや子どもを産むのが難しいことも話してました。彼は私を傷つけないように「子どもを産めなくても関係ないよ」と寄り添ってくれたんですけど、当時はそれが受け入れられませんでした。
——どういうことでしょう?
千種 そのときの私は子どもを望む気持ちが強くてまだ妊娠を諦めてなかったので、私が欲しい言葉は「そのままでいいよ」じゃなかったんですよね。本当は一緒に不妊治療に向き合ってほしかったけど、そう伝えることもできずにすれ違っていました。
——難しいですね……。
マッチングアプリの「子どもがほしい」のチェック欄を見るのが怖く…
千種 当時は精神的にも不安定で、不妊治療をやめて子どもを産めない私を本当に受け入れてもらえるのか自信がなかったし、「子どものことは気にしない」というのも情で言ってくれてるんじゃないかと考えてしまっていたんです。ひどいことを言われたとか明確な何かがあったわけではなかったんですけど、どうしても気持ちが整理できなくて、一旦まっさらにしてリセットしたい願望が強くなってしまって。
——別れたあとはどうされたんでしょう。
千種 それでもパートナーは欲しかったので、最初から私が子どもを産めないとわかったうえで出会う人を探すことに切り替えました。マッチングアプリなら「子どもを望まない」という条件で探せると思って30歳ではじめたんですけど、実際には「この人いいな」と思っても「子どもがほしい」のところにチェックが入ってるとその時点で「私はダメじゃん」って落ち込んでしまう。そのうち子どもを望むかどうかの欄を見ること自体が怖くなっちゃって、早々とマッチングアプリはやめました。
——合理的すぎる方法に予想外のつらさがあった。
千種 私自身が子どもを産めない自分を今以上に受け入れられてなかったので、他人が自分を受け入れてくれるイメージが持てなかったんだと思います。それで今度は逆に、もともと私がどういう人間なのかを知ってる人の中で、子どもを産めないことを受け入れてもらえる人を探す方がいいんじゃないかと切り替えました。

