「100万円超えの請求書が来て震えています……」
そんな悲痛な声を漏らすのは、W杯を現地で取材する日本人ジャーナリストだ。
観光はおろか現地の食事には1食もありつけない人も
連日気温30度を超える北中米の大地で日本のマスコミ関係者が身を震わせる要因の1つは、物価高だ。
「米国とイランとの戦争が始まって以来、エネルギー価格高騰などの影響で世界的なインフレ傾向が続いている。長期出張中の日本人記者には、それに加えて1ドル160円台という異次元の円安も襲い掛かってくるのです」(経済部記者)
スタジアムでは、20オンス(日本で一般的な500mlのペットボトルより少し多い程度)のミネラルウォーターが約1300円。ビールは1杯約2500円。ハンバーガーが約2700円で売られている。
「普通に空港で売っている水も800円ぐらいです。日本人記者は、スーパーでガロン(約3.8リットル)単位の水を買って水筒に詰めたり、日本から持参した電気炊飯器とレトルト食品で自炊したりして糊口を凌いでいます。せっかくのお祭り騒ぎを横目に、観光はおろか現地の食事には1食もありつけない人もいるらしい」(テレビ局記者)
それでも、節約次第で食費はなんとかなるという。避けられない問題は旅費だ。
「日本から現地まで、単純に往復するだけで飛行機代等で約30万〜50万円はかかります。現地に着いてからも、日本代表は1カ月で約1万キロも移動する。ベースキャンプの米テネシー州ナッシュビルからグループ初戦と第3戦の会場の米テキサス州ダラスまでは安い便で約10万円、第2戦を行ったメキシコ・モンテレイまでは乗り継ぎ便で二十数万円です」(前出・ジャーナリスト)
プラスして宿代もかかる。
「ホテルの相場は場所にもよりますが、安くても2万〜4万円はかかる。中には、荒野の場末にあるモーテルに投宿した猛者もいるようですが、『明らかに様子のおかしい奴がフラフラしていた』と治安の悪さにおびえていました」(同前)
そう、この治安の悪さが、ただでさえ青息吐息の記者たちの顔をさらに青くする。
「ある社は、米国メキシコ間を飛行機ではなくバスで移動するプランを真剣に計画していたそうです。国境地帯は、トランプ大統領が“壁”の建設を進めていることでも知られますが、麻薬カルテルらによる凶悪犯罪が多発していて、日本の外務省は『危険情報』を発出して陸路での越境に注意を強く呼びかけている。記者の命の危険と経費の負担を天秤にかけてか、さすがにプランは出張直前で見直されたそうです」(同前)

