日本バスケ史上最高の逸材が、どれほどの大型契約を手にするのか――。NBAのフリーエージェント(FA)市場が解禁され、八村塁の去就に日本のバスケファンは熱い視線を送っていた。
とくに今年はプレイオフという大舞台で目覚ましい活躍を見せたことから、日本では「優勝候補への移籍」や「高年俸で準エース級の役割」といった、華々しいステップアップが期待されていたのだ。
しかし実際に発表されたのは、来季最下位争いすら予想されるロサンゼルス・クリッパーズへの移籍。契約額も、期待を数億円規模で下回るものだった。
この決断に対し、現地のバスケファンや専門家たちはどう反応したのか。彼らの“リアルな声”を拾い上げていくと、きらびやかなNBAの裏側にあるシビアな現実が見えてきた。
「ルイをトレードしろ」から一転…レイカーズファンの“手のひら返し”
そもそも3年間のレイカーズ在籍中、八村に対する現地ファンの態度は必ずしも温かいものではなかった。NBA屈指の注目度を誇り、世界的なスーパースターを複数擁するレイカーズにおいて、中堅プレイヤーの八村はしばしば「スケープゴート」にされてきたのだ。
シュートの調子が悪ければ、SNSや掲示板で「コートをただ往復しているだけ」「ボールを眺めてばかり」といった批判が飛び交い、「Trade Rui(ルイをトレードしろ)」というフレーズが決まり文句のように繰り返された。
とくに直近の2025-26シーズンでは、得点やリバウンドの数字がキャリアでも最低クラスの水準に落ち込んでいたこともあり、「八村を対価に誰をトレードで獲ってくるか」が連日のように議論されていたのである。
しかしプレイオフに入るやいなや、そうした空気は一変する。チームの絶対的エースであるルカ・ドンチッチを怪我で欠き、勝ち抜けは絶望的と思われたロケッツとのシリーズ。ここで八村は歴史的な確率で3ポイントシュートを沈め続け、チームを劇的な勝利へと導く立役者となった。
これを機に、現地ファンの間では「プレイオフでの貴重な得点源」「彼のようなプレイヤーは優勝に必須」など、八村の残留を望む声が一気に優勢となっていく。
現地の独立系スポーツメディア「SB Nation」においても、「ルイを失うことは、チームに大きな穴を生み出し、チームを運用するうえで手痛い損失になるだろう」と警告されていた。
