ジャニー喜多川氏の性加害問題について報じ続けた元「週刊文春」記者でノンフィクションライターの髙橋大介氏による新連載「Voices 週刊文春ジャニーズ取材班の290日」がスタート。33週に及んだ「週刊文春」ジャニーズ問題キャンペーン報道の裏側が明かされる。
松嶋菜々子、佐藤浩市…招かれたVIPたち
東京ドームバックネット裏最上段にある全28室の「THE SUITE TOKYO」は、4人掛けのソファセットとダイニングテーブル、さらにテレビモニターとビールサーバーまで置かれ、室内でゆったりと野球観戦が楽しめる。生観戦を味わいたければ、グラウンド側に面した扉を開けて、専用のテラス席で声を張り上げて応援することも可能だ。
今年4月1日夜、5月末に活動を終了する嵐のコンサートが行われたその日は、これまでメンバーと共演した松嶋菜々子、佐藤浩市、加賀まりこら芸能人、テレビ局の幹部たちがVIPルームに招待されていた。
午後9時過ぎ、コンサートが終わると、各部屋から廊下に招待客が出て、関係者専用の出口へと向かう。彼らを見送るのは、STARTO ENTERTAINMENT(以下、スタート社)社長の鈴木克明、株式会社嵐社長の四宮隆史の2人だ。鈴木はフジテレビで専務を務め、テレビ西日本の社長を経て2025年にスタート社の二代目社長に就任した。四宮はNHKエンタープライズ21を経て弁護士に転身し、24年の株式会社嵐の設立と同時に社長となっていた。
2人が表の顔とすると、もう1人、
「今日は来てくださって、有難うございました」
「これまでお世話になりました」
という言葉とともに、招待客に頭を下げ続ける人物がいた。デビュー以来、嵐をマネジメントしてきた藤島ジュリー景子である。彼女はジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川の姪で、ジャニーの姉で長く経営の実権を握っていたメリー喜多川の娘である。ジャニー亡き後の19年には同事務所の社長を継いだ。
だが23年、生前のジャニーによるジャニーズJr.(以下、ジュニア)への性加害が社会を揺るがす問題となった。『週刊文春』は33週にわたって特集し、被害を訴える40人以上の元ジュニアの証言を掲載した。
