トレーニング中の事故で右目を失明し、左目の視力も0.01以下という状況になったプロサッカー選手・松本光平。それでも彼は「今回も必ずなんとかしてみせる」と笑う。その異常なまでのメンタルの強さは、彼がこれまでのサッカー人生で単身乗り込んできた、過酷すぎる海外生活で培われたところも大きいのだとか。世界中でサバイブしてきた男が語る、規格外のエピソードに迫る。
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ニューヨークに向かう直前の盗難被害…
――海外のクラブチームを渡り歩いてきたとのことですが、印象的な出来事はありましたか。
松本 2015年、次のシーズンのチーム探しのため、これまで滞在していたニュージーランドからアメリカのニューヨークに移ったんですが、ちょうどその直前、ニュージーランドで自動車の盗難被害に遭い、お金をほとんど持っていかれてしまうという災難が思い浮かびました。
――海外でお金を紛失してしまう……。その後アメリカにはたどり着けたのでしょうか。
松本 ニュージーランドのサポーターたちが私のために寄付金を集めてくれたんですよ。「アメリカのクラブに挑戦してこい」と送り出してくれ、どうにかなりました。
――それは結果的には良い意味で印象的な出来事ですね。
松本 そうですね。ただ、話はこれで終わらないんです。アメリカに到着して数日した朝、起きると脚がパンパンに腫れ上がっていて。よく「象みたいな脚」という比喩がありますが、本当にそのとおりの状態で。さらに、どんどん腫れが酷くなってくるんです。
何としてでも契約したかった私は、それを隠してチームの練習に参加しました。しかしロッカーでコーチドクターにバレてしまい、そのまま病院へ行くことになったんです。結局、ニュージーランドのサポーターの寄付金は手術代になってしまいました。
――病院での診断は。
松本 医師は「原因はわからない」と言っていました。ただ、何らかの感染症ではあるようで、「あと2週間来るのが遅かったら、脚は切断だった」と言われました。


