周辺に「工場」がある場合は要注意
「今どき、ネットで物件の写真を見れば十分ではないか」と言う人がいる。K氏はこれを明確に否定する。「写真で判断することのリスクは大きい」と。不動産会社の担当者は、写真を撮るのが上手い。広角レンズを使えば、実際より広く見える。日当たりのいい時間帯に撮影すれば明るく写る。
隣にゴミ屋敷があっても、当然そちらに向けてシャッターを切ることはない。川沿いの道の、静かな午後に撮った写真は、平日の朝の通勤時間帯の騒音を伝えることはない。「特に工場は要注意です」とK氏は指摘する。会社員であれば、内見は土日に行くことが多いだろう。だが、そのときに工場は休んでいる。
住み始めると平日に機械音や振動に悩まされる、というケースは少なくない。周辺に古い建物があれば、ゴミの管理状態も確認したほうがいい。「Googleマップである程度は確認できますが、現地に行けばわかることが段違いに多い」とK氏は言う。
これには私も同意する。不動産は足で情報をつかむものだ。賃貸でも購入でも、自分の目と足で確かめることに代わるものはない。
中古戸建ての内見において、何を見ればいいか。K氏に教えてもらったポイントを紹介しよう。
「天井と壁の隅」を必ずチェックする
まず、外から見る。周辺環境の確認だ。騒音源になるものが近くにないか――学校・工場・幹線道路。隣家との境界に越境物はないか。駐車スペースのコンクリートに大きなヒビ割れはないか。「ヒビは大きさを見てください」とK氏は言う。
コンクリートの性質上、髪の毛1本ほどの細いヘアクラックは入って当然で、問題ない。だが幅の広いヒビ割れが複数あれば、地盤や基礎に問題がある可能性を疑う必要がある。ヒビがあるからダメではなく、ヒビの大きさで判断する、ということだ。室内に入ったら、窓の開け閉めを確かめる。
木造の古い建物は経年で歪み、窓がスムーズに動かなくなることがある。建付けの確認だ。次に天井と壁の隅を見る。クロスの汚れは中古なので当然あるが、問題はシミだ。一度濡れて乾いた跡のような茶色いシミがあれば、雨漏りや漏水の可能性がある。