不動産価格の高騰が止まらない。その象徴が、東京都湾岸エリアの埋立地に建ち並ぶ、超高層タワーマンションだ。「週刊文春」では、何かと話題な晴海フラッグの住民をはじめ、超高層タワマン住民たちによる座談会を開催した。

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2LDK(マンションインフルエンサー):私のところに相談に来られる方も、半分くらいは湾岸エリアを検討されていますね。やっぱり皆さん、気にされるのはリセールバリュー(将来的に売却した時の価格)です。

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 湾岸エリアはもともと何もなかった埋立地で、大規模なタワマン開発がこの10年間集中しています。中古物件の取引数がとにかく多くて、取引が活発なマンションだと、1つのマンション内で月に10件近く売買されています。

 メルカリを例にすると分かりやすいかもしれませんが、取引量が多いと、相場がわかりやすい。よって買い手も適正価格を判断しやすく、相場より少し安い物件であれば1〜2週間で売れます。

 資産価値としてもここ数年は順調に値上がりしている上に、流動性も高いので「あれこれ悩む前に買ってみて、生活して合わなければ売って住み替える」と考えやすいのが湾岸エリアです。築地市場跡地など、近隣に大規模な再開発も控えており、その将来期待も相まって街全体の価格が押し上げられています。

勝どき(パークタワー勝どき在住):この3~5年で、リセール価格が異次元に動きましたよね。当初、PTKの抽選は外れたんです。ただ、不動産業者さんから「キャンセルが入り繰り上げ当選したので、すぐに決めてください」「辞退するなら他の人に権利が行きます」と電話がかかってきて……1分で即決しました(笑)。

晴海(晴海フラッグ在住):晴海フラッグの抽選もすごかったですよ。

 最初は板状の棟(初期に売り出された、中層マンション)で倍率が10倍くらいでした。それが、別の棟の抽選が始まるにつれ30倍になり、100倍になり、ツインタワーマンションを除く分譲マンションの抽選倍率は最高で266倍になりました(※2024年、地上50階建てのツインタワーマンション「SKY DUO」最終販売では、抽選倍率が最高で640倍を記録した)。割安だとネットでもだいぶ騒がれていましたね。

手前が晴海フラッグ。奥は勝どきエリアなどのタワーマンション群(©時事通信)

青山(パークコート青山在住):法人をいくつも作って抽選に応募する、組織的な応募も問題視されましたよね。40戸当たって、そのうち20戸を中国人に転売した人もいたとか。

晴海:ハルフラ、予算はオーバーしてしまいましたが、間取りが十分あって希望に叶った部屋を買えたので、満足して住めています。あそこで妥協して買っていたら、「内陸(都心エリア)の方が良かったかな」とか考えて、もう売っていたかもしれない。

 目の前に広がる東京湾を見ていると、多少上司がムカついても水に流せます(笑)。晴海ふ頭公園でランニングすると、信号を全く通らずに10~20キロとか走れちゃうのも良いところですね。

勝どき:PTKの良いところでいうと、2棟の真ん中に「セントラル・ラグーン」という、ヤシの木や噴水が置かれた場所があります。ここはもう日本じゃないと思える、海外のリゾートホテルのような景観で。海外の高級ホテルに泊まっても「これならウチの方が……」って思っています。

2LDK:PTKは……。

「週刊文春 電子版」では、超高層タワマン住民座談会を前後編にわたって配信中。晴海フラッグにまつわる「噂の真相」やおすすめの“穴場タワマン”、さらには、銀行の審査が厳しくなっている住宅ローンの実態やデベロッパー比較まで、ディープな話を読むことができる。

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