3/4ページ目
この記事を1ページ目から読む
心は完全に「業務モード」
しかし、高揚感はまったくない。心の中は完全に業務モードなのだ。
受付の店員が説明する料金を頭の中にたたき込む。スタッフの人数や店内の客数、回転率にも目配りをしなければならない。
席に通されると、やがて女性が現れた。年齢は30前後だろうか、場慣れして落ち着いた雰囲気。
「はじめまして。お仕事帰りですか?」
まさかお仕事真っ最中などとは言えない。
「……ああ、まあ、そんな感じかな」
「ちょっと緊張してます?」
「まあ、そうですね」
無難な会話にとどめる。
「給料はいくらもらっているの?」「1日に何人相手にするの?」「女性は何人働いているの?」「系列店はあるの?」「オプションはよく付くの?」……聞きたいことは山ほどあるが、根掘り葉掘り聞いて警戒されてはいけない。そのままサービスを受け、1万円を支払う。
領収証をもらおうかと一瞬考えて、やめる。店を出ると、夜風が冷たく感じた。
翌日、統括官の席へ向かう。