話題作に次々出演するも…

 前出の『桐島、部活やめるってよ』では、リハーサルに1ヵ月ほどかけ、吉田大八監督にマンツーマンで芝居をつけてもらった。そうした経験を踏まえてか、その後の作品でも、まず台本を読んで役のイメージを自分なりにつくると、撮影前に監督と話をして、自分の考えと合っていることといないことを照らし合わせながら役を固めていった。

『僕のいた時間』に出演した2014年には大学卒業を挟んで、ドラマでは初めてヒロインを演じた『アオイホノオ』(テレビ東京系)など話題作に次々と出演。映画『女子ーズ』では、世界征服をたくらむ怪人たちと戦う戦隊のメンバーを、山本と同じく当時の若手のホープだった桐谷美玲、藤井美菜、高畑充希、有村架純とともに演じた。やはりこの年公開の映画『小野寺の弟・小野寺の姉』では、在学時期は違うが明治大学農学部の先輩である向井理と共演している。

映画『女子ーズ』初日舞台挨拶で。(左から)山本美月、藤井美菜、桐谷美玲、高畑充希、有村架純 ©

 翌2015年には『東京PRウーマン』で映画初主演。2016年には映画『少女』で本田翼とW主演し、幼馴染みにしてクラスメイトという関係の高校生を演じた。それまで元気でキャピキャピした感じの役の多かった山本だが、むしろ、このとき演じた敦子のようにしっとりしたタイプのほうが共感しやすかったという。

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俳優デビューの6年後に掴んだドラマ主演

 ドラマにも現在にいたるまで途切れず出演を続けてきた印象があるが、意外にも主演に起用されたのは遅く、俳優デビューから6年が経っていた2017年の『東京アリス』全12話(Amazonプライム・ビデオ)が最初で、しかもテレビではなく配信ドラマだった。テレビではその翌年放送の単発ドラマ『真夜中のスーパーカー』(NHK BSプレミアム)で初主演し、地上波の連続ドラマにいたっては2020年の『ランチ合コン探偵~恋とグルメと謎解きと~』(読売テレビ・日本テレビ系)まで待たねばならなかった。

 本人もそうした自分の置かれた状況を十分に意識しており、2019年、27歳のときに週刊誌のグラビアに登場した際には、《もっと若い頃に想像していた二十七歳の私は、もっと大活躍しているイメージでした。バンバン主演を張って、私を知らない人はいない、という風になっていると思ってたので、まだまだですね》と謙虚なコメントを残している(『週刊文春』2019年4月25日号)。

 2019年には『いだてん~東京オリムピック噺~』でNHKの大河ドラマに初めて出演し、明治末の記者を、当時の女性では珍しかったであろう断髪に黒のハットというモダンな出で立ちで演じていたのが印象深い。

大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(2019年)で記者を演じた(山本美月のインスタグラムより)

 瀬戸康史とドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)で、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(同、2016年)以来2度目の共演をしたのもこの年で、これを機に関係を深めると翌年結婚している。