「働き続けたい」出産を経て見えたもの
話はさかのぼるが、山本は出産前後、デビュー以来初めて3ヵ月もの休みをとったとき、自分のキャリアについて改めて考えたという。
《その中で見えてきたのは、“働き続けたい”という気持ち。モデルや演技の仕事がやっぱり好き。だけど、将来的には全然違うことをしているかも…それはまだ分からない。どんな形であっても、この先もずっと、私は働いていたいって思ったの》と活動再開後に明かしている(「CLASSY.ONLINE」前掲)。好きなものが多い彼女ゆえ、たとえ芸能の仕事に固執しなくても選択肢は多いだろう。
なお、妊娠がわかったのは、『CLASSY.』のカバーモデルになった矢先で、彼女はうれしい半面、「これで(モデルは)卒業かな」と頭をよぎったが、それでも編集部は復帰まで待ってくれたのでありがたかったという。結果的に同誌の専属モデルは4年間務め、35歳になる直前、2026年6月発売号をもって卒業した。
卒業に際しては《7月の誕生日で、30代も折り返し。昔は葛藤を抱えた時期もあったけれど、今は心から「幸せ」って思える日々を過ごしています。これからは、自分の好きなことをより活かしたお仕事をしたいな…などと絶賛いろいろ考え中で、夢は膨らむばかり》と語った(『CLASSY.』2026年8月号)。
「見てくれる人の心を動かしたい」
好きなことは、絵本を読み聞かせたりと、子育てをするなかでも増えている。昨年のインタビューでは、《子どものおかげで、私も新しい『好き』と出会えている。もう一度人生を最初から楽しめるようで、子どもに感謝です》と話していた(『ダ・ヴィンチ』2025年5月号)。
山本は若手のころより、「作品に出るからには、見てくれる人の心を動かしたい」という信条をもって仕事をしてきた。2020年に刊行したビジュアルブック『魔法少女 山本美月』(TAC出版)収録の自作のマンガのなかでも、芸能の仕事をしている主人公「みづき」が「魔法少女になって誰かの心を動かしたかった」と口にし、ラストでは、べつにアニメのような魔法少女に変身しなくても、仕事を通じていつも誰かの心を動かしている自分はずっと魔法少女だったのだと、愛犬の「こつめ」から教えられる。
現実の山本も、SNSの投稿へのコメントなどから、自分も少しは人の心を動かせているのかなと実感を得ているという。そんなふうに人々から共感が集まるのも、どんな形であれ彼女の活動には一貫して「好き」がベースに流れているからこそだろう。
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