“昼の顔”がなくなっていた
阿川 YOASOBIのコンセプトは「小説を音楽にする」。題材の小説をまず読むとして、そこからどうやって音楽にしていくんですか?
Ayase 最初はまず一読者として読んで作品を楽しみます。そこから読後、最初に出てきた感情や所感から音を作るんです。僕はそれらを「青っぽかったな」「白い感じの印象が先に立ったな」と色のイメージで捉えるので、その色を再現するうえで一番良さそうな音や曲の空気感からメロディーを作ります。
阿川 色から音を作るのね。歌詞はメロディーを作った後ですか?
Ayase そうです。メロディーを作っている時点でAメロとBメロではこういう話をして、最後はこうなるとざっくり詞の構成は考えているんです。そこから小説を読み直して、自分の中で話の流れを再構築して歌詞を書いていきます。
阿川 この7年、そうやって曲をたくさん作ってこられたAyaseさんがこの度、ソロEP(「dialogue」)をお出しになったそうで。
Ayase このEPは僕自身の名刺を作るという名目で作ったんです。これを聴いたらAyaseがどんな音楽をやりたいか、どういう人間か分かるようにって。僕としては、再デビューした気持ちでワクワクしてるんです。
阿川 私が一番好きなのは、2曲目の「うるさ」。ガーッと盛り上がっていって最後ピッと終わる感じがカッコよかったです! あの曲って咳払いの音入ってます?
Ayase 入ってます。咳払いは僕、みんなどんどん積極的に使ったほうがいいと思ってるんです。
阿川 どうして?
Ayase 咳払いって「今から大事な話をするよ」って時にしません? だからあれは「はい、聞いてね。みんな」という前振りなんです。
阿川 ちゃんと計算の上なのね。
Ayase 他にも舌打ちとかくしゃみとか。生理現象も音として使ったほうが面白いよねとは思います。
阿川 そもそもYOASOBIはikuraちゃんとAyaseさんには個人での音楽活動、昼の姿がある。だから夜の姿として楽しもうということからスタートしたら、大変なことになっちゃったわけで。つまりソロで活動するってことは、本来の姿に戻ったとも言える?
Ayase その意味で言うと、この7年、僕は昼の顔がなくなってしまっていたというか。それはちょっと不健康だったな、と。
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