まるで映画『エクソシスト』のように身体が勝手に動き、意味不明な言葉を叫ぶ……。かつて悪魔憑きと恐れられた奇病の裏にも、実は「脳の異変」が存在していた。

「糖と脳」の専門家・下村健寿氏が、脳が乗っ取られる恐ろしい症状のメカニズムを、新刊『糖毒脳 いつまでも「冴えた頭」でいるために知っておきたいこと』(ダイヤモンド社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

写真はイメージ ©getty

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「認知症」と「アルツハイマー病」は何が違う?

「認知症とアルツハイマー病って、何が違うの?」

 もしかしたら、混乱している人も多いかもしれません。テレビやニュースで耳にする機会は多いけれど、その正確な関係を理解している人は意外と少ないものです。

 認知症とは、記憶や思考、行動に障害が出るなど、脳の様々な機能が障害された結果、日常生活を送ることが困難になった状態を指す「症状の総称」です。

 認知症とは「脳の働きがうまくいかなくなって現れる困った状態」そのもののことだと思ってください。

 認知症の原因となる病気はいくつか存在します。

 たとえば、「脳血管性認知症」です。脳梗塞や脳出血のように、脳に酸素や栄養を運ぶ血管が詰まったり破れたりすることで脳神経細胞が死滅し、認知症を発症するケースです。脳血管障害は突然、劇的に発症することが多いのが特徴です。

 一方で、私たちの脳の中で、まるで記憶の地図が少しずつぼやけていくかのように緩やかに、そして着実に記憶能力が失われていく病気が「アルツハイマー病」です。