安田 船に乗せた東恩納氏に関しては、私が直接、名護市内の自宅に行っています。「すいません」と訪ねたんですが、ご本人ではなく、反対協メンバーでもある奥さんが激怒しながら出てきました。屋内には明らかに東恩納氏ご本人がいるように思えましたが、全然取りつくしまもない。

「『環球時報』の記者、中国共産党のプロパガンダ機関の人を船に乗せましたよね?」と一応聞いたんですが、奥さんが「帰ってください!」「警察呼びます!」と叫ぶ一点張りで。違法海上抗議をやっている団体の人がこういう時だけ公権力に頼るのかよとか、そもそも市議で反対協事務局長という立場で何も言わないのは責任上どうなんだ、とは思いましたね。その後、私が『週刊ポスト』を通じて質問状を送ってもなしのつぶてです。

 ただ、東恩納氏を含めて、反対協の当事者らがどう考えていたかは薄々想像できます。別ルートで他の人にも色々聞いてみたので。結論から言うと、「何も考えてなかった」と私は思っています。

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『環境時報』公式ショート動画より。東恩納氏が中国人記者らに米軍基地の撮影を許可した瞬間

──本当ですか。

安田 そもそも反対協は法人格もなく、責任の所在が曖昧。他の人が何をやっているかも把握していない。一方で、古株の幹部活動家の発言力がめちゃくちゃ強く、責任は取らないのに隠然たる決定権だけはある。下の人が忖度して合わせる体制です。

 そもそも今回、反対協が叩かれる原因になった抗議船沈没死亡事故も、その後のひどい謝罪会見も、そういう無責任体制のもとで生じたと思われる。構図は一緒だと感じます。「自分たちは正しい」という信念以外は何も考えていない。なのに、閉じられた内部における抑圧的な体制だけはある。幹部以外のメンバーには例の沈没事故について緘口令が敷かれていると、メンバー自身から聞きました。

 一方、『環球時報』問題に限った背景について言うと、そもそもコアな左派は中国を「脅威」と思っていない、という大前提があります。とりわけ沖縄の左派では、悪いのは日本とアメリカ、暴力的で軍拡を行っているのは日米である、という認識が存在する。

「中国は侵略される側だ」

──なるほど。なんでまた……。