「恋愛対象として見られる」ことで内面的に変化

――高1まで通っていた高校に友達はいたんですか。

メノ 陽キャの友達がいました。後から本人が教えてくれたんですけど、もともとその子は「こいつに宿題を教えてもらおう」という目的で僕に近づいたらしくて(笑)。でも、音楽とか好きなものが一緒で、向こうも友達だと思ってくれるようになって。男の子と真正面から友達になれたのは、ほぼ初めての経験だったかもしれないですね。今でも仲がいい友人です。

 それに16歳の時に初めて彼女もできました。それまで非モテで女の子の耐性がなさすぎて、好きと言ってもらえること自体がうれしくて、とにかくすぐ付き合ってすぐ別れて、というのを繰り返していましたけど。恋愛対象として見てもらえるんだということが、内面的な変化につながったのはたしかですね。

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――18歳くらいの時にビジュアル系バンドに入ったそうですが、初めてバチバチのステージメイクをした時はどんな思いを抱きましたか。

メノ 初めてビジュアル系バンドを組んで、メイクをしてもらったら全然違う顔になって。数人ではあるけどファンがついてくれたことで、「なるほど、これで顔をうまく整形できればかっこいいと思ってもらえるんだ」という経験を初めてしました。

ビジュアル系メイクをするメノさん

 ただ同時に、「結局は見た目か」とむなしさも感じていましたね。すっぴんに戻るとブサイクだという自覚があるので、メイクを落としたらこっそり隠れながら帰るということもしていました。

 ただビジュアル系の世界では、「素顔は問わない、メイクした状態でよければすべてオッケー」といった概念があるので、「この世界なら自分でも戦えるかもしれない」とは思っていたんです。

間近に整形の成功例が現れ「大丈夫なのかもしれない」

――整形に向かったのは「メイクで変われたのなら、整形でもっと変われるはず」といった気持ちが出てきたからですか。

メノ バンドをやりだした頃は整形そのものへの抵抗感が強くて、おかしな顔になるイメージがあったんです。それが変わったのは21歳あたりで、ビジュアル系バンドのメンバーが二重整形をしてきたんですよ。もともとかっこいい人だったんですけど、さらにイケメンになって戻ってきて。間近に成功例が現れたことで「大丈夫なのかもしれない」と思って。

毒牙メノさん

 当時はお金がなかったので、母に「すいません、貸してください」と頭を下げまして。反対はされましたけど、最後には貸してくれて。最初の手術となった整形は、二重の埋没法で20万円ほどでしたね。

――仕上がりのほどはいかがでしたか。

メノ 写真を見た時に、イケメンとは程遠いなと感じてしまって。二重整形をしたバンドメンバーの場合は、もともと顔の土台が整っていて一重なだけだったから劇的に変わったけど、自分の場合はそういう話じゃないなと。二重の線が1本入ったことで、逆に顔のバランスが崩れてしまった感じがして、「次は鼻と輪郭をやろう」と前のめりになりましたね。