あの言葉があったからこそ、これからもお芝居を続けていきたい、と前を向くことができたのだと思います。自分にまったく自信がなかった私にとって、「受け入れてくださる方がいる」と実感できたことは、本当に大きな出来事でした。
「私にとって琴子は、自分を前向きに変えてくれた、大切な存在」
――公開から年月が経った今でも、『イタズラなKiss THE MOVIE』は麻木さんにとって特別な作品なのでしょうか。
麻木 名前も髪型も当時とは違うのに、今でも「琴子ちゃんですよね」と声を掛けてくださる方がいて、「本当に長く愛されている作品なんだな」と実感します。
当時の台本も原作漫画も、今でも全部大切に保管しています。落ち込んだ時には読み返して、「あの頃も頑張っていたな」と、自分を励ましてもらうこともあるんです。
――作品と向き合う中で、ご自身にも何か変化はありましたか。
麻木 実は、好きな色まで変わったんです(笑)。もともとの私は、黒や茶色など暗い色ばかり選んでいました。でも、琴子のお部屋はピンクであふれていて、本当に明るくて温かい空間だったんです。
撮影を続けるうちに、その部屋にいるだけで自然と前向きな気持ちになれることに気付きました。撮影が終わった後は、自宅にも琴子のお部屋のようなベッドを置いて、カーテンや小物もピンクでそろえました。気が付けば、すっかりピンクが大好きになっていたんです。
コロナ禍で家にいる時間が長くなった時も、その部屋のおかげで前向きな気持ちで過ごすことができました。私にとって琴子は、ただ演じた役ではありません。少しずつ自分を前向きに変えてくれた、大切な存在なんです。
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