健常な子たちの育児は「別世界」
――定型発達の子は全然違うというか、比べる対象ではないというか。
麻希 そうです。もう今は、自分は比べる領域にもいてないです。
ちょっと前までは自分もめっちゃ比べていて、ランドセルを選ぶときに一緒に悩んでいる親子がうらやましかったですし、ずっと普通の小学生とか普通の幼稚園児に憧れはあったんですけど、今はもうほんとに別世界みたいな感覚で。
きっと普通の小学4年生だとサッカーとかダンスとかの習い事をはじめる年代だと思いますけど、うちの子の習い事は放課後デイだよ、みたいな。
そういう感じの別世界なので、お互い別世界で頑張ろう、みたいになってますね。
――別世界なんですね。
麻希 健常な子にとっては、その社会で頑張っていかないといけない悩みがあるだろうし、親にもいろいろ悩みがあって。で、私たちには私たちなりの悩みがあるっていう感じで、今は割り切って考えられてると思います。
「有名人もおるし…」周囲のリアクションに思うこと
――お子さんの障害について周囲の人に話したとき、もやっとしたリアクションとか、逆に嬉しかった反応ってありますか。
麻希 微妙な反応をもらったこともありますけど、今は「突然そんなこと言われてもどう反応したらいいか分からない」って気持ちが分かるんで、あんまり気にしないですね。
ちょっと話はそれますけど、大阪のおっちゃんおばちゃんは「かわいいなあ」「いくつ?」とかって話しかけてくれることがよくあるんですけど、息子は相手の言っていることを理解できなかったので、もう4歳なのに「あ、今2歳で~」とかって適当にかわしたことは数しれず(笑)。そこで「自閉症で…」とかって膨らましても仕方ないんで。
しいて言うなら、昔モヤモヤしたのは、障害を伝えたときに、「自閉症にはこういう有名人もおるし、天才になるんじゃない?」みたいなリアクションですかね。
――ちょっとした励ましみたいな。
麻希 すごい気遣ってくれたんやなって今は思えるんですけどね。いろんな反応はあったけど、今は全然、悪い反応はなかったなと思って。優しい世界だったなと思いますね。
――人によるとは思うんですけど、相手の受け止め方としては、「そうだったんだ」くらい軽いほうが気が楽ですか。
麻希 そうですね。全然それぐらいでいいよ、って心の中で思ってますけど、やっぱり皆なにか一言励まそうとしてくれるから、優しいなって思いますね。
でも、ほんまにそんなに気を遣ってくれなくて大丈夫で、「だから何?」っていうぐらいで接してくれるのがいいのかなって。
そもそも私は早くからSNSで発信をはじめていたので、伝えるっていう部分ではすごく楽だったんですね。私の発信ですでに息子の状態を知ってくれていたので。
昔の私しか知らない人でも、「えぬくんちゃんねる見てたよ」とか、「育児頑張ってるね」みたいなことを言われたりとかするとすごくうれしい気持ちになりますね。

