彼のカバンの中にはパンが入っていた。警官に盗品ではないかと疑われ、「学校でもらった」と答えると、おもむろに棍棒で何度も何度も殴られた。さらに裸にされて性器に火をつけられ、「真実を話せば帰す」と言われたため、仕方なく「パンを盗んだ」と認めたという。
しばらくすると帽子を被った2人の男がやって来た。男たちは彼を無理やり車の中に押し込めて、そのまま兄弟福祉院に連れ去った。車は何カ所かに立ち寄り、子どもはまたたく間に7~8人に増えていく。車には「釜山労働者 更生車」と書かれていた。
「何者かが私の肛門に挿入してきた」
兄弟福祉院に着いた子どもたちは男女に分けられ、入浴後、裸のままベッドに入るように指示されたという。泣き疲れて眠ってしまった子どもたちを容赦なく野獣が襲った。兄弟福祉院を管理する者たちだった。14歳だった男性はこう証言している。
「何者かが私の肛門にペニスを挿入してきた。痛みで悲鳴を上げた。でも彼は私の口を塞ぎ、性的暴行を続け、レイプした」
彼は連日にわたって性的暴行された。そうした子どもはあだ名で呼ばれ、また襲われたという。
ほんの少し祖母と離れたときに連れ去られた
10歳に満たない子どもたちも狙われた。
ある男性は、9歳か10歳の頃、道に迷って警官に声をかけたところ、兄弟福祉院に送られた。別の男性は、釜山駅で祖母と一緒にいたが、ほんの少し祖母と離れたときに警官に「家出したのか」と声をかけられ、否定したが兄弟福祉院に連れ去られた。ある女性は子どもの頃、警官に「家に送る」と言われたが、連れていかれたのは兄弟福祉院だった。
兄弟福祉院で子どもたちを待っていたのは、過酷な暴力だった。殴る、蹴るは当たり前。頑丈で大きなつるはしの取っ手を一日中水に浸けて、重くなったもので殴られて歯を全部失った子どももいた。
