7月25日、日本未公開の台湾映画の名作・話題作を紹介する「台湾文化センター 台湾映画上映会2026」の第6回が慶應義塾大学三田キャンパス(東京・港区)で開催された。今回上映されたのは、ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に選出、LGBTQ+をテーマにした映画に贈られるテディ賞最優秀作品賞にもノミネートされた話題のノワール『宵闇の火花』。上映後には同作のチュウ・ピン監督と本上映会のキュレーターであり映画監督のリム・カーワイ氏が登壇したトークイベントが行われた。

リム・カーワイ監督(中央)とチュウ・ピン監督(右)🄫台湾映画上映会2026

『宵闇の火花』
裏社会で生きる、実直な性格の青年パオ。彼の心には、刑務所で共に過ごした先輩ミジーがいた。再会を心待ちにしていたが、出所したミジーから思いがけず冷たくあしらわれてしまう。行き場のない思いは、いっそう抑えがたいものになっていく……。社会の闇に埋もれた人間の感情と欲望を浮かび上がらせる、クィア・ノワール。
監督:チュウ・ピン/出演:ホアン・グァンジー、シー・ミンシュアイ、ファン・ルイジュン、ジェン・ジーウェイ/2024年/台湾/78分/©pts/配給:ショートレッグフィルム/2027年公開予定

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原題は「愛が悪いことをする」

リム・カーワイ監督(以下、リム) 日本語のタイトルは、『宵闇の火花』ですが、原題は『愛作歹(アイツォータイ)』ですね。中国人でもパッと見てどういう意味か分からないんじゃないかなと思いますが、説明していただけますか。

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チュウ・ピン監督(以下、チュウ) 台湾華語でタイというのは「悪いこと」という意味ですね。主人公たちは黒社会の人間なので悪いことをする。そういう「悪いことをしたがる人たち」という意味もありますし、「愛が悪いことをする」という意味もあります。

映画『宵闇の火花』

リム なるほど。今までたくさん台湾のヤクザ映画を観てきました。たとえば日本でも人気があった『角頭』という映画がありますが、その『角頭』に出演したシー・ミンシュアイという俳優がこの映画にも出てきます。そういう映画は大体、男同士の友情を描くことが多いですが、この映画の場合は、友情以上のことを描いているんですよね。あんまり露骨には表現されてないんですが、同性愛のような感情です。それが黒社会の話と上手く融合して、クィア・ノワールという新しいジャンルを作られたんじゃないかと思います。