ちなみに、「瑞穂」という縁起の良い町の名にはちょっとしたエピソードがある。1940年に箱根ケ崎村他3村が合併して誕生した折、ちょうど皇紀2600年にあたり、日本の別名・豊葦原瑞穂国にあやかって当時の東京府知事によって名付けられたのだとか。
箱根ケ崎駅はそんな小さな町のターミナル、というわけだ。だから橋上駅舎が実に立派なのも、町の顔ということなのか。そして駅舎だけでなく、駅前広場も実に堂々としたものだ。
駅舎の脇に交番のある東口駅前広場には、立川や福生に向かう路線バスの乗り場もあった。モノレール延伸の暁には、こうした路線バスも再編されていくつかは姿を消すことになるのだろうか。
「ここにモノレールがやってきます!」
また箱根ケ崎駅は、瑞穂町だけでなく武蔵村山市の玄関口のひとつでもある。武蔵村山に暮らす人たちや、そこにある会社や学校に通う人も、朝には箱根ケ崎駅を賑わすのだろう。かつて大妻女子大学の狭山台キャンパスがあった頃には、箱根ケ崎駅からスクールバスが運転されていたこともあったのだとか。
が、そんな時代も今は昔の物語。少なくとも平日の真っ昼間、箱根ケ崎駅の駅前は人影もまばらだ。駅前広場の南側には小さな飲み屋やスナックが集まる一角があったが、夕暮れ時ならともかく灼熱の7月の昼間から賑わうような場所でもない。
だからこそ、この妙に立派な駅前広場は、どうしたって違和感が拭えない。目の前を通る都道沿いには、ここにモノレールがやってきますよ、と書かれた案内板が立っていた。箱根ケ崎の奇妙に立派な駅舎と駅前広場は、まるでモノレールの延伸を待ち構えているかのようだ。
歴史ある「旧日光街道」の交差点とは…
そんな駅前の都道を少し南に歩くと、新青梅街道との交差点に出る。クルマ通りの多い新青梅街道の向こう側には、高いフェンスに隔てられた横田基地が見える。横田基地は北部の大半が瑞穂町内。箱根ケ崎は、“基地の町”でもあるのだ。
もう少し駅の周りを歩く。


