燕三条駅は、工業都市として発展して人口も増加していた三条・燕両市のどちらからもアクセスしやすい中間地点、信濃川と中ノ口川に挟まれた中洲のような場所に設けられた(駅の開業は1982年)。

 建設段階の仮称は「燕三条」。燕市はもちろんそのまま正式な駅名に、と思っていたわけだ。ところが、燕市の後塵を拝することになる三条市はすんなりとは納得せず、「新三条駅」を望んだのだとか。

 結局、新幹線開業の4年前に完成していた北陸自動車道のインターチェンジが「三条燕」だったこともあってか、駅名は燕三条に落ち着いた。ちなみに、ICは“三条”が先だが所在地は燕市で、両市に跨がる駅は“燕”が先でも駅長室が三条市にあるからという事情で住所は三条市だ。

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燕市と三条市の間にできた燕三条駅。駅長室が三条市のため、住所は三条市
写真真ん中、インターチェンジの看板を見ると「三条燕」

 たまたまたそうなったのか、それともなんらかのバランサーが働いたのかはわからない。いずれにしても、燕三条駅がなんとも微妙な問題を孕んでいたことは、単なる都市伝説ではなさそうだ。

「三条口」「燕口」均等に均等に…

 そんな事情を踏まえて、駅の外に出るべく2階から1階に降りる。それなりに賑わっていた2階と比べ、1階は自動販売機がいくつか置かれているだけのがらんどう。わざわざこのフロアに留まる人もいないから、誰ひとりいない空間が広がっていた。

燕三条駅前の広場

 出入り口は階段を降りて向かって右が「三条口」、左が「燕口」。どちらにも大きな駅前広場があって、タクシーが何台も客待ちをしていた。ビジネスホテルも両側にちゃんとある。正確なことを言えば、駅を境にきっちり三条市と燕市が分かれているわけではないのだが、とにかく隣り合うふたつの町に、均等にアクセスできるように配慮されていることがよく伝わってくる。