日中に目薬をさし、寝る時には目にラップを張り付ける

――顔だけじゃなく、お腹の皮膚を使っていたんですね。

しほ まぶたがなかったので目が剥き出しになっていたわけですけど、下まぶたを作ったことで目の開く範囲を狭めてあげて、少しでも乾燥を防ごうという目的だったんです。

 今は日中5、6回ぐらいの点眼と、夜寝る時には軟膏とラップだけできれいな状態を保てています。ただ、子どもって大人よりもはるかに目が潤っていると言われているので、成長とともにケアも変わっていくとは思うんですけど。

ADVERTISEMENT

――成長していくとまた別のケアが必要になる可能性があるんですね。

しほ ケアを増やしていく判断は常にしていく必要がありますし、皮膚を移植することを「植皮」と言うんですけど、植皮ってだんだん縮んでいくものらしいんですよ。で、植皮が縮むと目の開きが大きくなるので。

©杉山秀樹/文藝春秋

――どんどん皮膚が引っ張られることで、目の閉じている部分が開いてきてしまうんですね。

しほ そうそう。そうなると、再手術の可能性はありますね。

――退院してからの生活は緊張もあったのでは。

しほ 生後半年くらいで家に帰ってこられたのですが、その直前に、病院内ではじめて24時間一緒に暮らしてみて、実際の生活をシミュレーションする機会があったんです。

 呼吸器の管理や痰の吸引、目の保護など、いろんな練習をしたんですけど、夜もやっぱり気になって全然寝られなかったんですね。

――どういった点が一番大変でしたか。

しほ 慣れていないということが大きかったとは思うんですけど、寝ているときにしている目のラップがズレたらどうしようとか、ちゃんと息をしているだろうかとか、いろんなことが気になってしまって。こんな調子で本当に一緒に暮らしていけるのだろうかと、不安になってしまいました。

 でも、別の日に同じように24時間みーくんと一緒に過ごした夫は夜も普通に寝られたみたいで(笑)。彼も私と同じように心配性な人だったら無理だったかもしれませんね。(つづく)

次の記事に続く 「なんでこんな顔なの?」と言われることも…まぶたと頭蓋骨の一部が欠損【世界で前例がない障害児・おもちくん】の両親が、周囲の反応に対して思っていること