世界でも前例のない障害を持つ息子・未来くん(YouTube上では「おもちくん」)の日常をYouTube「星のミライChannel」で発信する星野しほさん、孝輔さん夫妻。未来くんは、まぶたと頭蓋骨の一部がない状態で生まれ、その他にも小耳症や小顎症、嚥下障害といった症状がある。

 YouTubeでの発信は妊娠中から考えていたというが、慎重派のしほさんと、積極派の孝輔さんで意見が分かれていた。最終的に選んだのは、見た目に特徴があるからこそ、隠さずに育てること。発信を続ける中で、周囲から寄せられる声への思いなどを聞いた。

©杉山秀樹/文藝春秋

YouTubeでの発信は、夫婦で意見が分かれた

――今日はまさにYouTubeでよく見るご自宅にお邪魔していますが、発信をはじめたのはいつ頃から?

ADVERTISEMENT

星野孝輔さん(以下、孝輔) 退院したのが生後半年くらいで、その2カ月後くらいからYouTubeをはじめました。ただ、話自体は妊娠中からしていて。

星野しほさん(以下、しほ) そうそう。

――妊娠中から発信を考えていたのは、どういったモチベーションから?

孝輔 妊娠中から、脳の構造には異常がないけど、目が離れているということは分かっていたので、見た目に特徴のある状態で成長するんだなと想像していました。その上で、自分がもし同じ立場だったら外に出づらいんじゃないかと思ったんですね。

©杉山秀樹/文藝春秋

 でも、子どもが社会に出にくいような将来は嫌だったから、そうじゃない未来を作るために何ができるだろうと思って、YouTubeで発信したいと妻に話していたんです。

――しほさんは孝輔さんの「YouTube提案」をどのように受け止めましたか?

しほ もともと彼は「人と違うこと=良きこと」という考えの人ではあって。かつ、今はそういう時代でもあるし、みーくん(未来くん)の武器をどんどん発信したほうがいいと言われて、たしかにそうだなと思っていました。でもその反面、SNSってそうじゃなくとも怖い場所だと思っているので、すぐに返答はできなかったですね。

 YouTubeに限らず、私はリスクがあるならそれに対しての対処法も考え尽くした上で行動したいタイプということもあって、かなり慎重でした。リスクを減らすために、医療ケアのハウツー動画はどうかと提案もしたけど、彼は「そんなの誰が見るの?」って(笑)。

 それでいろいろ話し合った結果、リスクも確かにあるけれど、みーくんにとってはメリットが大きいんじゃないかと思ったので、恐る恐るスタートしたという感じです。

「なんでこんな顔なの?」と言われることも

――妊娠中から、見た目が人と違うことでこれから苦労するだろうという思いがあったわけですね。

孝輔 親も子どももそうですね。その時は想像でしたけど、実際、退院してからお出かけしても視線はメチャクチャ感じましたし。

――それはどういう視線?

孝輔 見慣れないものを見ている感じで、子どもが特に顕著ですね。スーッとすれ違った後、わざわざ戻ってきて近づいて見てきて。こっちが「どうしたの?」と聞くといなくなっちゃう。

しほ 「どうしたの?」ってたずねてくる子もいるけどね。「なんでこんな顔なの?」って。

孝輔 一緒にいるお母さんが、「そういうことは聞いちゃダメだよ」って言う人もいます。別に聞いてもらっていいんですけど。