QuizKnockを運営する株式会社batonで会社員として働きつつ、哲学者としても活動を続けている、田村正資さん。開成高校時代には、『高校生クイズ』の全国大会に2年連続で出場し、高校3年生で伊沢拓司さんらと共に見事優勝を果たした。
そんな田村さんは、5月に3冊目の自著である『思考のストレッチ』(講談社)を刊行した。“誰かが考えた「正解」もいいけど、自分だけの「?」を探す贅沢な遠回り。” と銘打たれた本の中では、様々なモチーフをもとに、田村さんの思考の軌跡が描かれている。
今回のインタビューでは、田村さんの学生生活に大きな影響を与えた『高校生クイズ』に出場するまでにフォーカスをあて、その道のりを聞いた。(全3回の1回目)
戦国武将と雑学が好きな少年だった
――田村さんは現在株式会社batonで会社員として働きつつ、哲学者としてもご活動されていますが、何かについて考えたり知ったりすることに興味を持ったのはいつ頃からでしたか?
田村 小さい頃から、色々なことに興味がありました。小学生の頃は、三国志とか戦国武将が好きで本を買ってもらって読み込んだりしていました。高校生になるくらいまではずっとテレビが大好きで『トリビアの泉』(フジテレビ系列)とか『今すぐ使える豆知識 クイズ雑学王』(テレビ朝日系列)などの雑学番組をよく見ていましたね。
――幼少期に触れたもので、今の自分を形成していると思うものはなんですか?
田村 価値観をかたちづくっているなと思うのは、『ドラえもん』とか『クレヨンしんちゃん』ですかね。読書の習慣がついたのは、小学4年生くらいからです。読書感想文を書かなくてはならないタイミングで、父親の本棚で見つけたミヒャエル・エンデの『はてしない物語』を読んで、そこから本の世界にハマっていきました。
――ほかにどんな本を読むようになったんですか?
田村 小学生の頃は松原秀行さんの「パスワード」シリーズなんかをたくさん読んでいました。中学生ぐらいのときに、自分の中で第2次小説ブームみたいなのが訪れるんですが、そのきっかけになったのが秦建日子さんの『推理小説』(2004年、河出書房新社)です。篠原涼子さん主演のドラマ『アンフェア』シリーズの元になった作品ですね。本屋でふと気になって読んで、また小説をたくさん読みたいなと思ったんです。
その時期に何度も読み返すくらい好きだったのが、真保裕一さんの『奪取』(1996年、講談社)とか、アレックス・シアラーの『スノードーム』(2005年、求龍堂)でした。大がかりなサスペンスと、ちょっと歪んだ愛情の話が好きだったのかもしれないですね。

