QuizKnockを運営する株式会社batonで会社員として働きつつ、哲学者としても活動を続けている、田村正資さん。高校3年生で伊沢拓司さんらと共に『高校生クイズ』の全国大会で見事優勝を果たした。
そんな田村さんが5月に刊行した3冊目の自著である『思考のストレッチ』(講談社)は、 “誰かが考えた「正解」もいいけど、自分だけの「?」を探す贅沢な遠回り。” と銘打たれている。本の中では、様々なモチーフをもとにした、田村さんの思考の形跡に触れることができる。
『高校生クイズ』での優勝は、東大進学にも影響を与えている気がすると語る、田村さん。どのようなきっかけで哲学を専攻すると決め、大学の研究員にまでなったのかに迫る。(全3回の2回目/最初から読む)
理系のコースから哲学の道へ
――哲学を専攻すると決めたタイミングをお聞きしたいです。
田村 実は高校生の時は、世界史とか日本史よりも、数学とか物理とか理系科目のほうが得意だったんです。なので、大学に入るときは理系のコースを選択しました。とはいえ、何を専門に学んでいくのか、ということはまだこれっぽっちも考えていなくて。1年生のときは、文系・理系関係なくいろんな講義を取ることができたのがよかったですね。
高校2年生くらいの頃から哲学や批評、思想系の本を読むようになっていたんですが、大学では読んだことのある本の著者がやっている講義とか、まだ名前しか知らない哲学者についての講義とかを受けることができて、やっぱり哲学の分野は面白いなと思ったんです。大学のなかにある本屋でも、ふつうの本屋にはないいろんな本と出会うことができました。
大学2年生の夏学期にどの専門課程に進むのかをあらためて選択する機会があったんですが、そのときに「えいやっ」という気持ちで哲学系のコースに進むことに決めました。哲学や思想を学んでいくことで、ひとつのトピックや題材でもいろんな角度から考えて、楽しむことができる。だから、一生楽しく過ごすためのツールとして学べたらいいんじゃないかなと思ったんです。

