実際、ナチュラルは企業のような組織だ。会長以下、執行役員や代表・専務、本部長など、一般企業のような役職がある。スカウトたちを統括するのが、「本社」と呼ばれるメンバーだ。
「集金課、総務課、アプリ課など様々な部門に分かれている。警察当局を『ウイルス』『プロ』と呼んで敵視していますが、プロ課は警察対策を担う部署で、風営法改正についての勉強会も開いている。組織防衛を担う防衛部という部署もある。本社には約150人が所属している」(社会部デスク)
収益源の中心はスカウトバックと呼ばれる違法な紹介料である。女性を風俗店に斡旋すると、毎月の稼ぎの約15%が入ってくる。
「女性が働く限り入ってくるので、月100万以上を稼ぐやり手スカウトも多い。中には月1000万円以上を手にする人間もいる」(同前)
独自で開発した“闇アプリ”
ナチュラルという組織の異質さを物語るのが、iPhone特化型の“闇アプリ”「Chat Alpha(チャットアルファ)」を数千万円をかけて、独自で開発したことだ。
このアプリは23年以降、全メンバーへの導入が義務化されたが、女性を風俗店などに紹介するための求人情報の閲覧や、スカウトバックのシステム管理など実務上の機能だけではなく、メンバーが逮捕された際に遠隔操作でデータを削除する機能もある。また、メンバーの裏切りを監視するため、GPS機能で常にメンバーの居場所が分かる仕組みになっているのだ。
捜査幹部が打ち明ける。
「既製のアプリに改良を加えたものですが、アップルから企業向けMDM(モバイルデバイス管理)の認可をもらうには法人格が必要。そこで、木山は日本の警察の目を逃れるため、IT立国のエストニアに法人を作った。実際、ナチュラルは木山の一番下の弟の名義で申請しています」
アプリを設計したとされるのがXだ。Xは慶應大学SFC卒で、在学中は自然言語処理や認知科学の領域を研究していた。
「メンバーや協力者には、慶應卒や京大卒など高学歴の人物が少なくない」(同前)
実家を訪ねると…
7月上旬、「週刊文春」記者は奈良県内にあるXの実家を訪ねた。父にXがナチュラルに所属しているか、アプリを設計したのかなどを聞いたが、「知りません」「わからない」を繰り返した。
