ちいかわが「草むしり検定5級」に受からずに鬱々とする日々を過ごす様子が描かれている。2025年7月に公開されたマンガで、ちいかわが3度目の挑戦で5級に合格した際は、Xで66万いいねがついてトレンド入りした。
『チャーリーとチョコレート工場』と似ている
ちいかわは総じて胃袋を刺激してくる。
作り手が描かれないグルメ漫画の面もあるのだ。『美味しんぼ』のようにひたすらに食し、そのおいしさをともだち達と共感する様子が描かれる。
家族総出で映画を視聴しにいった我が家の当日の夕食メニューは、そのまま「旨辛カレーと貝汁」である。見終わった子供たちが「カレー! カレー‼」と大合唱がとまらなかった。我々はちいかわレストランも行ったし、ちいかわベーカリーも行った。ちいかわの世界にでてくる食べ物を、その鮮度が高いうちに味わうことで、まるでこのフィクション世界のテーマパークにちょっとだけお邪魔しているかのような気持ちになる。
ナガノ氏のグルメ観はまるで『チャーリーとチョコレート工場』だ。日常世界にお菓子があったらどうだろうという“子供の夢”は映画にされてきたが、まさかファンタジー世界に大人のグルメがはびこっていたらどうだろうかという“大人の夢”を世界観として組み込んだ作品は唯一無二である。
なぜかちいかわの作品内では食べ物が“自生”している。地面にふと埋まっている炊飯ジャー、木から生える笛ラムネにダブルクリーム、ソフトクリーム、出汁サーバーなんてのも登場する。
泉から湧き出るおソバ、オフィスグリコのカエルの貯金箱なども出てくる。世界観も時代考証もめちゃくちゃだ! という声もありそうだが、こうした装置がさまざまな憶測や考察を引き出しやすくなっており、同時にちいかわコラボを誘発し、外側世界で「IP化させやすさ」にもつながっている。
まるで枕草子のような世界観
映画版では、ちいかわは島民と共に、セイレーンという巨大な怪物と戦う。セイレーンは島民を見下げているわけでもなく、時にはともだちのように楽しく日々を過ごしながら、突如として一緒に遊んでいた島民たちを捕食の対象にする。