「即死でした」

 そして、泣き叫んだ。

 松永はここまで話し終え、完全にうつむいた。「ふー」と大きな溜息を吐き、沈黙した。しばらくすると嗚咽で言葉がまともに出てこなくなった。眉間に皺を寄せ、口角に力を入れる。

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 感情を制御しようとしても、歪んだ顔の目尻から涙があふれる。充溢する湿気で汗みどろでもある。

 ふたたび語り始めた。

「拓也、見ないほうがいい」

 それから、霊安室に両親や叔父の次央と移動した。恐る恐る真菜の顔にかけられた布をほんの少しだけめくった。傷だらけの顔に触れると、氷のようだった。莉子の顔を見ようとしたが、叔父の次央から「拓也、見ないほうがいい」と言われてやめた。

 事前に付き添いの警部補が真菜と莉子の写真をデジカメで撮影して、(松永の)父親に相談したところ、「拓也が可愛い顔を思い出せなくなるから、見せるのはやめよう」と判断したからだった。

 お義父さんに泣き崩れながら電話をかけた。

「ダメでした」

 僕にとって、妻子を別々に火葬されることは耐え難かった。

 片時も離れることがなかった二人が、事故のときも天に召されるときも別々なのは、あまりに可哀想だと考えた。二人を同時に火葬できる斎場を探したが、空きが見つからず、調整が難航した。なんとか五日後の四月二四日が火葬と決まり、この日を起点に段取りを組み立てる必要に追われた。