夜になり、エプスタインの監視を任命された刑務官ふたりは、エプスタインの房で何かが起こっていることに気づかないまま、コンピューターでゲームをしたりショッピングをしたりして数時間を過ごした。そして眠ってしまったとされる。
同じ夜、私はマクスウェル*の訴訟に関する2000ページ以上の資料に12時間かけて目を通したあと、朝起きたときのままのパジャマ姿でベッドに入った。
*ギレーヌ・マクスウェル受刑者=エプスタインの恋人で共犯者
翌朝一番にマクスウェルの資料について、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)の電話インタビューを受けることになっていた。
起床後、マクスウェルの事件について話そうとマイケル・ライター元署長に電話した。エプスタイン事件について私と同じくらいよく知っている数少ない人のひとりなので、頭のなかの考えをまとめたいときのよい相談相手なのだ。
話している途中、携帯電話が別の着信を知らせてきた。NPRのインタビューにしては時間が早いと思いつつ、電話に出た。
「ジェフリー・エプスタインが死んだ」
「ジュリー、聞いたか? ジェフリー・エプスタインが死んだ」。NPRのプロデューサーだった。「え? まさか。また自殺未遂?」「ちがう、死んだと聞いた」「行かなきゃ」
電話を切り、すぐニューヨークの連邦検察にいる情報源に電話した。「ジェフリー・エプスタインが今朝、遺体で発見されたことはたしかだ。いま言えるのはそれだけ」。しつこく食い下がった私に情報源は答えた。
次に、イェナ・リサ・ジョーンズ、ミシェル・リカータ、コートニー・ワイルド、バージニア・ジュフリー*に電話した。
*エプスタインからの被害を告発したサバイバーの女性たち
