「あいつらが殺したんだ」
最初につながったのはリカータだったと思う。そのころにはテレビでニュースが流れはじめていた。「信じられない」とリカータは言った。
「なんでそうなるの? 自殺しないように監視されてたはずじゃ?」
ジョーンズは静かに泣いていた。ワイルドとは連絡がつかなかったが、彼女の母親エバと話すことができた。「あんちくしょうめ、あいつらが殺したんだ」とエバは言った。
広がる陰謀論
陰謀論がツイッターで一気に燃え広がった。
ウィリアム・バー司法長官は騒ぎを鎮めようと、調査が始まるまえに「明らかな自殺」と発表した。
エプスタインは2019年8月10日土曜日の午前6時30分ごろ、拘置所の特別収容ユニットで意識不明になっているところを発見された。救急隊員が蘇生を試みたが失敗し、搬送された地元の病院で死亡が宣告された。
警備がきわめて厳重との評判を得ていた場所でエプスタインが死亡したことは、連邦刑務所局にとって衝撃であり恥でもあった。精神衛生の専門家によれば、エプスタインのような自殺のおそれのある者には、30分かそれより短い間隔での綿密な監視が必要だったという。
陰謀論は数日のうちにますます大きくなり、トランプ大統領はエプスタインが「クリントン夫妻の情報をもっていた」結果として「いまは死んでいる」と根拠のない噂をツイートし、火に油を注いだ。後日、このツイートについて質問された大統領は、ビル・クリントンがエプスタインの死に関係しているかどうかは「わからない」と答えた。
バー司法長官は、エプスタインの死に関する調査をFBIと司法省の監察総監マイケル・ホロウィッツが担当すると発表した。
数日のうちに、刑務官ふたりがエプスタインの様子を約3時間にわたってチェックしていなかったことが明らかになった。
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