話題を呼んだセリフ「ねえ、しよ?」
かつて、同じく月9の『君が嘘をついた』(1988年)に出演時にスタッフから「君の童顔ならきついセリフも中和される」と言われたという鈴木の生来の魅力がここでも発揮されたわけである。ただし、赤名リカは単に毒のあるキャラクターではなかった。
たしかにリカは当時の一般的な日本の女性からすると常識外れの存在であり、とりわけ初めてカンチと一夜をともにする際の「ねえ、セックスしよ?」というセリフは、批判も含めて各方面で話題を呼んだ。しかし、リカが「セックス」と口にするのはこの1回だけであり、劇中で関係を持つ男性も最後までカンチひとりである。そんな彼女の一途さをどう演じるかが大きな課題だった。
鈴木は、現実離れした役をそれ以前にも主演した『白鳥麗子でございます!』(TBS系、1989年)で経験しており、そのときは《台本見た時はどうしようと思ったけど(笑)、ああいう役って、やる側が照れると見てる側も恥ずかしいでしょ。だから“飛ばして”やるっきゃないやと思ったから、飛ばしてやりました》という(『月刊カドカワ』1990年6月号)。
赤名リカという役の難しさ
これに対して赤名リカは、先述のとおり一途な面を持ち合わせており、難しい役だった。鈴木もそれを十分意識しており、《リカの役ってただとばすんじゃなくて、とばしの裏のかわいさみたいのがなくちゃいけないんで。ホントに難しい(笑)》と、放送中の対談で話していた(『ザテレビジョン』1991年2月1日号、原文では「とばす」に傍点)。
ドラマが回を追うにつれ、視聴者である若い女性たちの大半は赤名リカに共感し、その恋敵となる関口さとみ(劇中では有森也実が演じた)を敵視するようになっていった。視聴率も後半になってうなぎ上りで、最終回は32.3%と、フジテレビのドラマでは歴代最高記録(当時)を叩き出した。
