「ミュージカル界のプリンス」こと井上芳雄さん。2000年に帝国劇場で鮮烈デビューして以来、数々の大舞台で主演を務めてきた。

(いのうえよしお 1979年生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科を卒業。近年の主な舞台出演作に、『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』『エリザベート』『大地の子』『アイ・ラブ・坊っちゃん』など。2026年8月〜9月に開催されるアリーナツアー『New HISTORY COMING ARENA LIVE -The Imperial Theatre Symphony-』でホストを務める。
2026年8月28日(金)~30日(日) 神戸 GLION ARENA KOBE
2026年9月5日(土)~6日(日) 小倉 北九州メッセ(旧 西日本総合展示場新館))

対談の一部を抜粋してお届けします。(初出:週刊文春 2026年8月13日・20日号)

井上芳雄、阿川佐和子 ©文藝春秋

阿川 ご無沙汰しております。お会いするのは、2019年放送の『サワコの朝』以来ですね。

井上 その対談の3年後に僕がMCをしていた『行列のできる相談所』で、ピアニストの石井琢磨さんとピアノの連弾を披露していただきました。

阿川 あ、そうでした! 最近はバラエティ番組の司会もされて、活動の幅が広がっていますね。

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井上 声をかけてもらったら、嬉しくてどこへでも行っちゃうんです。

阿川 軸はあるんでしょ?

井上 はい。肩書はミュージカル俳優でやらせていただいています。

肩書はミュージカル俳優と語る井上 ©文藝春秋

阿川 今は何でお忙しいんですか?

井上 8月7日から1カ月間、帝国劇場関連のコンサートで全国のアリーナをまわるんです。

阿川 どんなコンサートなんですか? 帝劇は昨年2月に建て替えのため閉館しちゃいましたよね。

業界内の「唯一の親友」

井上 帝劇のトリビュートコンサートと言ったらよいかな。帝劇ゆかりの作品の楽曲を中心に、ミュージカルスターの皆さんとお届けします。僕と堂本光一君の2人でホスト役を務めさせていただくんです。

阿川 お二人は仲がいいそうで。

井上 業界内の「唯一の親友」と呼ばせてもらっています。といっても、お互い人見知りなんで、ベタベタした関係ではないんですけど。

阿川 しかも同い年なんでしょ。

井上 帝劇デビューも同じ年で、いろんなことを話せるいい関係ですね。

阿川 近年の帝劇はミュージカルの殿堂みたいな場所になっていたから。

井上 ミュージカル界にとって帝劇が当面開かないのは痛手ですね。2030年頃に新帝劇ができるのですが、それまで帝劇ミュージカルの火を絶やさないようにしよう、がコンサートのテーマでもあります。

阿川 井上さんは、福岡のご出身で、小学校のときに劇団四季の『キャッツ』を観て、ミュージカルの道を志されて。まずはその基礎を磨くために東京藝術大学に入って声楽を学ばれて……わたしがずっと説明するのもナンですけど。

阿川佐和子 ©文藝春秋

井上 その通りです(笑)。覚えていてくださってありがとうございます。

阿川 それで四季を目指して藝大に入ったけれど、在学中の20歳のときに『エリザベート』の皇太子役に抜擢されて。その初舞台が帝劇だった。