「顔付きの変化」で爆発的に売れたクルマも

 ヘッドライトとクルマの人気を語る上では、トヨタのLクラスミニバンであるアルファードとヴェルファイアも欠かせない。

 アルファードは2002年に登場し、2008年に2代目へと代替わりする際に兄弟車としてヴェルファイアを派生させた。すると、ヴェルファイアは複眼風のフロントマスクを採用し、人気が爆発した。

ヘッドライトが特徴的なヴェルファイア(トヨタ公式サイトより)

 ところが今度は2015年、3代目アルファードが騎士の鉄仮面風の大型グリルを採用すると、これまた爆発的にヒット。ヴェルファイアとの人気を逆転した。現在もこの2車種はブランド別販売台数で上位を維持するが、アルファードの方が3倍くらい売れている。それくらいフロントマスクのデザインは大事なのだ。

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「80点主義」だったトヨタのデザインだが、キラリと光った車種も

 90年代までのトヨタは「80点主義」と呼ばれるほど、中庸な印象のクルマに仕立てられていた。バブル期まではフロントグリルの存在感を強調した高級セダンを主流に、大衆車のカローラまでも同じテイストのデザインを取り入れた時代もあった。そんな時代にあってももちろん売れるクルマは多数存在した。

 例えば高級クーペとしてソアラは大ヒットした。ソアラはバブル景気に合った高級ラグジュアリークーペで、発売当時は「目新しさがない」という意見もあったが、3代目までは大ヒットを続けたものだ。

1989年に登場したソアラ(トヨタ公式サイトより)

 またセラという意欲作も存在した。ガルウイングドアとグラスルーフを組み合わせることで、キャノピー風のグラスエリアをもつ、コンパクトなクーペであった。中身はコンパクトカーのスターレットだったが、デザインが秀逸で今でも根強いファンがいるほどだ。

意欲的なデザインだったセラ(同前)

 反対に、長い歴史の中でトヨタにだって失敗作はある。セプターはカムリの兄弟車としてデビューしたが大味なデザインが日本人の好みには合わなかった。特にセプターのセダンはまず見かけないほどの不人気車だった。

 現在、復活が噂されているスポーティクーペのセリカも、最終モデルは北米市場を重視し現地でデザインされたこともあって、日本では不発した。今になって前衛的なデザインがウケて、中古車で人気車種になってしまったのが皮肉だ。

 それ以外ではWiLLシリーズという近未来的なデザインをまとった3モデルを投入したこともあるし、マークII3兄弟も最後はヴェロッサという、イタリア車みたいなユニークなデザインを採用したモデルまで生み出した。

 このように、時々既存のコンポーネンツを利用しながらデザインに凝ったクルマを生み出していたものの、あくまでも保守的なイメージを崩さなかったのがトヨタ車だった。