昼間から睡眠薬を飲んで、こんこんと寝続けている母親
――お母さんはどんな人だったのでしょう。
おおたわ 母は感情の起伏が激しい人で、急に激しく怒ったり、ご機嫌な時もあったりする人でしたが、正直なところ、今でもどんな人だったのかよくわからないんですよね。昼間から睡眠薬を飲んで、こんこんと寝続けていることもよくありました。
母は幼少期に大病を患ったことがあるんです。盲腸にかかったのですが、山奥の田舎育ちで医者がおらず、「ただの腹痛だ」と数日間放置された結果、ひどい腹膜炎を起こしてしまったそうです。
手術を終えたものの人工肛門になってしまって、それから10年以上にわたって8回も手術を繰り返し、人工肛門を閉鎖できたのは18歳の時でした。
――それがきっかけで、体が弱かったのでしょうか。
おおたわ 本当に体が弱かったのかどうかはわかりませんが、家族や親戚一同も、盲腸を放置してしまった負い目があったんでしょうね。
周りもみんな「彼女は体が弱いから、寝ている日があったり家事ができなかったりするのもしょうがないんだよ」と腫れ物に触るように接していました。
「学歴コンプレックスの裏返しとして…」母が娘の教育に力を入れていたワケ
――お母さんの教育方針はどのようなものでしたか。
おおたわ 当時は子どもの教育に力を入れることが流行り始めた「お受験の走り」みたいな時代だったんです。
加えて、母が抱いていた学歴コンプレックスの裏返しとして「自分の子どもを医者に育て上げないと、自分がダメだから子どももダメなんだと思われてしまう」と考えていたことが、さらなるプレッシャーになったのかもしれません。
母は略奪婚だったこともあり、父方の親戚たちとの付き合いを相当嫌っていました。後ろ指を指されることも相当あったようです。だからこそ、私への教育には力を入れて、娘を成功者にすることで「みんなを見返してやりたい」という気持ちがあったのだろうと思います。

