「大きな灰皿を投げ付けられて、額から血が…」母親の行き過ぎた教育

――具体的に、お母さんはどんな教育をおおたわさんに受けさせようとしていましたか。

おおたわ 母は自分に受験の成功体験がありませんでしたから、どこかで「良いらしい」と聞いてきたピアノやバイオリン、英会話なんかの習い事はそのまま実践させられましたね。

 でも、彼女がどんなに必死になったところで私がメキメキ伸びるわけではないので、それも歯痒かったのでしょう。母の思うようにいかなければ「他の子と同じでどうするの? 普通でいいわけないでしょ」と激昂され、手当たり次第に教科書やコーヒーカップを投げ付けられる。一度は石でできた大きな灰皿を投げ付けられて、額から血が出たこともあります。

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――お母さんの教育方針に対して、お父さんや周りの大人の反応はどうだったのですか。

おおたわ 2人の間にどんな話し合いがあったのかはわかりませんが、父が真っ向から反対することはありませんでしたね。ただ、父も周りの医者仲間から「おおたわ先生のお嬢さんは女の子なのに、なんであんなに勉強をさせられてるんだ」と言われることはあったようです。

 父自身もそう思っていたかもしれませんが、母の勢いがすごくて止められなかったということと、ワーカホリックで仕事ばかりだったので、母と私が一緒にいる時間の方が圧倒的に長かったことも関係しているかもしれません。

小学生時代に撮影した、大好きな父親とのツーショット写真(本人提供)

「布団叩きで叩かれるようになりました」自分の思い通りにならないと激しく怒る

――おおたわさんは、お母さんから暴力も受けていたそうですね。

おおたわ しょっちゅう叩かれていました。手でも叩かれていましたけれど、手を使うと彼女の手も痛いから、途中から布団叩きで叩かれるようになりました。

 自分の思い通りにならないと腹が立ってしまう様子で、一度火が点くと制御ができなくなるんですよね。たまたま母が私の部屋に抜き打ちで来た時に漫画を読んでいたとか、学校帰りに文房具屋さんに寄って15分帰宅が遅れたとか、その程度のことで激しく怒るんです。

「お灸を据えると良い子になる」という迷信がかった話をどこかで聞いてきた母がよく、私に「手を出しなさい、お灸を据えるから」と言ってタバコの火を近づけることがありました。その度に「ごめんなさい、もうしませんから、二度としませんから」と必死に謝って、根負けした母が舌打ちをしながらタバコの火を消す、ということが何度もありましたね。