専業主夫生活を経て、得たものとは?

――振り返ってみて、専業主夫の経験は小西さんにどんな変化をもたらしたのですか?

小西 日本で専業主夫を続ける気にはなれませんでしたが、「男が稼ぎ、女が家庭を守る」という昭和的な価値観は、全くなくなりました。大学教授としてジェンダー論やキャリアを教えるという全く想像もしていなかった道を切り拓くことができたのは、紛れもなく米国での専業主夫経験がもたらした成果です。

――お子さんとの関係性も、だいぶ変わりましたか?

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小西 本当に変わりました。きっと専業主夫時代がなかったら今頃、口をきいてくれなかったでしょうね。渡米前は、平日に子どもと遊ぶことは皆無だったんです。男は全力で仕事をして稼ぐ。そういうものだと思っていたからです。

 それが渡米後は、子どもと毎日ボードゲームやままごとをしたり、授業参観に参加したり。これまでにたまった借金を返してもお釣りがくるぐらい、子どもとべったり過ごす生活を送りました。渡米前後の自分を比較して、「父親って本来こうあるべきだよな」と。

「今でも子どもたちと良い関係を築けているのは、米国での暮らしがあったから」と小西さんは話した(本人提供)

 子どもも、渡米して初めて「お父さんって一緒に遊べる相手なんだ」と思ってくれたことでしょう。私自身も、専業主夫になってみて「自分は子どもとしっかり向き合うことができるんだ」とわかりました。子どもと触れ合い愛情を注ぐ日々を経て、心の豊かさを取り戻せた気もします。

 息子は小6になりましたが、今でも外出時に手をつないでくれるんです。娘は中2で思春期に突入していますが、普通に話してくれますね。まだ、米国時代の貯金が残っているのかなと。

――現在は、ご夫婦ともにフルタイムで勤務されているのですか?

小西 そうですね。妻の言い分はもしかすると違うかもしれませんが、家事育児の負担は平等になっていると私は思っています。細かい相談は特にせず、お互いに気づいたほうが先にやるという感じです。