クラスの1軍になりたかったけど…

 誠也さんの学校でも、スポーツができる、偏差値が高い、容姿がいい、コミュニケーション能力が高い、家庭が裕福といった特徴を持つ男子たちが1軍に君臨。

 誠也さんはといえば、スポーツや勉強はこの学校では平均点よりかなり下。

 体格も小さく、性格もおとなしいため、1軍入りは叶いませんでした。

ADVERTISEMENT

 そんなある日、誠也さんは1軍男子グループのひとりから、「学年で一番かわいい女子の後ろ姿を盗撮してこい」と命じられます。

「断ればまた、いじめのターゲットにされるかもしれない」。

 誠也さんの脳裏には、防衛反応が瞬時に働きました。いじめられる恐怖心から、彼は不本意ながらも、学校の渡り廊下を歩く女子生徒を遠くから盗撮したのです。

 撮影した画像を送ると、1軍男子たちのLINEグループへの入会を許可されました。そこで誠也さんは、「おまえは勇気がある」「さすが男だな」と称賛を浴びました。

 力を持つ同性から、初めて「男」として承認された――誠也さんは、この体験が非常に大きかったと振り返りました。

 その後、1軍男子たちのリクエストはエスカレートし、よりきわどい画像や動画を盗撮するよう、誠也さんは要求されるようになりました。