「1軍男子に認められたい」

 初めこそ罪悪感はありましたが、「1軍男子に認められたい」という思いから、誠也さんは学校外でも盗撮を繰り返すようになりました。

 ある日の通学中のこと。

 誠也さんは電車内で他校の女子生徒を盗撮していたところ、会社員に見つかり、鉄道警察署へ連行されました。

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 知らせを受けて駆けつけた母親に対し、警察官は「お母さん、この子はまたやりますよ」と言い放ちました。

 その根拠は、誠也さんのスマートフォンに保存された数千枚に及ぶ盗撮画像データでした。

 クリニックを訪れた誠也さんは、色白で小柄な、声の小さな少年でした。

「盗撮をしたかったのですか?」という私の問いに、彼は「したくなかった。でも、あの場面ではせざるをえなかった」と声を絞り出すように答えました。

 しかし、盗撮を繰り返すうちに、男子グループ内で承認を得る快感や、自分が盗撮した画像によって「男同士の絆」が深まるような感覚にのめり込み、引き返せなくなってしまったのです。

 ちなみに、彼が盗撮した画像の多くには、女性の顔は映っていません。記録されているのはスカートの中、つまり記号化された身体の一部ばかり。そこには人格を持った人間が存在しないのです。