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性暴力の裏にある「男社会への過剰適応」
「男は泣くな」という言葉は、まさにその代表例です。感情を表に出すことは「女々しい」とされ、口数少なく我慢し沈黙することが男の美徳とされる考え方です。
私自身、こういった有害な男らしさに晒されながら、大人になった世代です。
「男は泣くな」「強くあれ」といった規範のもとでは、男性はたとえ悩みがあっても周囲に相談できず、精神的な限界を迎え、自殺や孤立に陥る可能性が指摘されています。
我慢を重ねた末に生じたストレスや苦痛を一時的に棚上げする「負の強化」が、依存症の本質であることは、前章で述べたとおりです。
当院を訪れる加害少年たちにも、この「強くあれ」という価値観はすでに根づいています。
「強さ」は学校での偏差値や部活動での成績などを通して競い合われますが、性暴力の背景には、男社会への過剰適応ともいうべき、「強さ」に対する極度のこだわりが潜んでいるケースがとても多いのです。