被災地に通じる国道沿いは慢性的な渋滞を引き起こしているが、その合間をひっきりなしにサイレンを鳴らし、近隣自治体から駆けつけた救急車がそこかしこで緊急走行しているが、その多くもやはり熱中症の疑いの患者という。
電気は比較的早く復旧しつつあり、車中泊を続けざるをえない住民の車や発電機の燃料となるガソリンなどもなんとか被災地にも届けられるようになった。
300台のクーラー「なぜ使われなかった?」
しかし、通電したおかげで使えるようになった小泉防衛相自らの肝いりともいえる、あのスポット・クーラー。避難所の住民には意外な評判が巻き起こっていた。
そもそも、スポット・クーラーとは聞き慣れんが、その名の通り、広い部屋全体やなしに、ある一定方向だけに冷気を吹き出す。室外機を設置する工事も不要で、移動も楽々と被災地のためにあるような便利グッズやが、当たり前やが電気が必要である。さらに外気に排熱ダクトを出す環境が必要なのである。確かに見た目もコンパクト、電気が通じ始めた避難所でも大活躍が期待された。
自衛隊の入浴支援施設の脱衣所などにも設置され、湯上りの被災住民に心地よい涼を提供している。
ちゃあんと排熱ダクトを屋外に這わせ、機能すればいうことないんやが、避難所となった宇城市の小川防災拠点の体育館などで数台設置されたスポット・クーラーは冷気を吹き出し、その前面だけは涼しい。しかし背後の排気口からはその反作用として、熱風を吐き出すのである。
その熱風が避難所の壁際で休む住民の背中に入り込んできよるのである。



