充実したデスク環境の自宅を離れ、なぜあえて不便なカフェで作業するのか。気分転換の本質は単なるリフレッシュではなく、仕事への「インターフェイスの切り替え」にある。場所の移動、ゲラの赤入れ――環境の「落差」を利用した仕事術。

「勉強を手に入れたい」。そう願う人の背中を後押しし、着実に階段をのぼるための心構え・道具立てを可能にしてくれるエッセイ連載、第9回目です。

 ※本連載は『勉強を手に入れる』と題して書籍化される予定です

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カフェや電車やベンチでの仕事が自宅での仕事に劣らない理由

 わたしは自宅のデスク環境がけっこう充実しており、ガジェットや家具へのこだわりも――こだわっている人のなかではショボいほうですが――そこそこあります。

 で、わたしのそういう嗜好を知っている友人たちは、わたしがカフェでも電車でも屋外のベンチでも、おもむろにパソコンを開いて作業をはじめては没頭する様子を見て、なんとも意外に思うようです。「こいつ、こんな環境でも集中して仕事できるタイプだったのか」、ということですね。

©Unsplash

 なぜこれが可能なのか、じつはまだ自分でもうまく分析できていないのですが、ともあれ今回は、この意外性から、ひとつの方法論を立ち上げてみたいと思います。

 もちろん、自宅での作業がメインで、しばしカフェなどに場所を移して気分転換するということは、誰もがやっているでしょう。わたしも、同様の理由で場所を変えます。散歩に出るとか、ゲームするとか、そういうリフレッシュを挟むのは、勉強を効果的に継続するための、ほぼ本能的なテクニックです。

 ただ今回は、この「気分転換」という日常的な行為がもつ、たんなるリフレッシュを超えた効用について書いてみたい。カフェや電車やベンチは、たしかに自宅には劣るわけですが、しかし、わたしはそうした作業環境において、かならずしも「自宅の劣化版に甘んじている」わけではないのです。

 いわゆる「気分転換」の本質は、じぶんの仕事に触れるインターフェイスの切り替えにある、というのが今回のポイントになります。

 ではいきましょう。