「頑張ればいつか伸びる」は幻想だったのか。停滞期「プラトー」の真の役割と、伸び悩む人が陥る罠を解説。努力のタイプを切り替えてブレイクスルーを起こす勉強法とは――。
「勉強を手に入れたい」。そう願う人の背中を後押しし、着実に階段をのぼるための心構え・道具立てを可能にしてくれるエッセイ連載、第7回目です。
※本連載は『勉強を手に入れる』と題して書籍化される予定です
◆◆◆
「成長は急激に起こる」という成長モデルは本当か?
よく「努力と成長は比例しない」ということを説明するために、成長曲線というグラフが持ち出されることがあります。日々の努力の積み重ねよりも、じっさいの成長はすこし遅れて起こる、という内容です。
こうした成長曲線は、右肩上がりの正比例の直線と重ねられて、急角度でぐいっと上昇するように描かれます。これは、伸び悩んでつらい時期があっても頑張ってればいつかかならず伸びるぞ、という激励として機能していると同時に、「成長は急激に起こる」という夢を見させてくれるものでもあります。
つまりわれわれが「ブレイクスルー」と聞いたときにイメージするのがこれですが、わたしはこの成長モデルを、半分合っていて、半分間違っている、と思っています。
研鑽の目標として、「ブレイクスルーを起こす」ことは多くの実践者が夢見るところです。それはいっぽうで、「現在の自分とはまったく別次元の自分への飛躍」という、きわめてロマンティックな欲望にうったえる成長モデルです。たほう、じっさいにはそんな大躍進などというものは起こらず、ただ地道にじりじりと成長することしかできないのだ、という愚直な考えのひともいるでしょう。
今回は、じつは勉強においては、成長のない地道な努力に耐える局面と、ブレイクスルーを起こす局面とを見極めて、勉強のタイプを意識的に切り替えなければならないのだ、という話をしようと思います。
