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カスタム文化を影で支えた「深夜のドンキ」
果たしてメーカーの目論見どおり、bBのオーナー層は大きなカスタム需要を形成し、アフターパーツ市場が一気に開拓されていく。街にはシャコタン、大径ホイール、フルエアロをまとったbBがあふれかえった。
とくにbBに特徴的だったのが、「走るクラブ」のような車内空間を演出するカスタムが多く見られたことだ。「光り物」を車内にふんだんに取り入れ、ギラギラしたインテリアパーツや芳香剤、さらには荷室に巨大なサブウーファーをインストールした車両が夜の街を行き来した。
当時は内装カスタムが手軽になっていた背景もある。カーアクセサリーブランドの大手『D.A.D』は、車内用テーブルやカーテンといった装飾品を多く展開し、bB専用のインテリアパネルなどもラインナップ。大がかりなカスタムをせずともラグジュアリー感を演出できた。
また、長引く平成不況も、bBがカスタム好きの若者にウケた要因のひとつだろう。当時は吉野家の牛丼が280円、マックのハンバーガーが59円というデフレまっただなかの時代。節約志向が高まるなかで、90年代半ばに最盛期を迎えたVIPカー(高級セダンのカスタム)は維持費がネックになる。対してコンパクトカー規格のbBであれば税金も安く、無理なく車弄りを楽しめた。
さらにbBのブームは、ディスカウントショップの「ドン・キホーテ」が全国に店舗数を増やしていった時期とも重なる。夜中にぶらりと愛車で出かける層が、買い物ついでに車内用イルミネーションや芳香剤といったアイテムを入手できる環境が整っていったのだ。