1人目の不倫相手を殺害後も妻を顧みない生活を続け、2009年から新たな女性・紘子さんと「ダブル不倫」の関係に陥った桑田一也死刑囚。生活苦による口論の末、男は彼女の首を絞めて殺害し、遺体を元妻と住んでいた住宅の敷地内に隠蔽していた。
母を殺された当時小学1年生だった長女・結海さん(仮名)は、テレビのニュースで「あっ、パパだ」と警察に連行される男の姿を目撃する。行方不明とされていた母の死、そして「良きパパ」の恐ろしい本性を知った少女の葛藤と、裁判を経て明かされた事件の真相とは?
ノンフィクションライターの高木瑞穂氏の文庫新刊『殺め人』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の3回目)
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人を殺したあとに「ダブル不倫」
2人目の被害者は紘子さんだった。
日比野さん殺害後も妻を顧みない生活を続けていた桑田は、2009年1月ごろから紘子さんと同棲を始めた。いわゆるダブル不倫だった。
その後、夫と離婚した紘子さんが桑田との結婚を望むようになったため、2人の間でケンカが生じた。同棲自体は継続したいと考えていた桑田は、妻に内緒で離婚届を提出した上、結婚式まで挙げた。だが、甲斐性のない桑田にあって、結婚後もその生活苦からケンカが絶えなかった。
桑田は、紘子さんから元妻にカネを出させるなどと言われたことから嫌気がさし、ついに別れ話を切り出した。対して憤慨した紘子さんは、元妻Aのところに行くなどと息巻いた。
それを阻止すべく犯行を決意した桑田は、詐欺容疑で逮捕される同じ年の2月、紘子さんの首を絞めて殺害した。
