中森 川端幹人さんはあの襲撃事件で手ひどいダメージを負ったと思います。それはそうですよね。副編集長の自分や岡留さんだけじゃなく、ほかの編集部員までケガをさせて巻きこんでしまったわけですから。
編集長を引退するとき、岡留さんは川端さんに『噂眞』2代目編集長を禅譲するつもりでした。休刊当時の『噂眞』は20万部以上も部数が出ていたそうだし、貯金はたくさんあった。経営的には何の問題もなかったのに、川端さんは『噂眞』編集長を継がなかった。
佐高 今回この本を出版するにあたって、川端に何回もインタビュー取材を申しこんだんですよ。でも最後まで逃げられちゃった。西岡研介は『スキャンダルを追え! 「噂の眞相」トップ屋稼業』という本で襲撃事件のことを書いています。
中森 その意味では、岡留さんの胆力はすごい。自分が大ケガを負って、下手したらそのまま殺される可能性すらあったのに、平気な顔して朝まで飲んでるんだから。すごいですよ。
みんな女子にモテる
佐高 往年の『朝日ジャーナル』で活躍した編集者の宮本貢が、岡留のことを「新宿ノーテンキゲリラ」と評したことがある。
中森 言いえて妙ですね。岡留さんの存在は「左翼」とか「反体制」とかいう括りではとうてい収まらない。イデオロギーの違いをスッと乗り越え、誰とでも話ができてしまう人間としての資質はすごいです。融通無碍で、アメーバのように柔軟にどんな議論にでもハマりこんでしまう。まさしく編集長向きです。
主義主張は全然違いますが、筑紫哲也さんや田原総一朗さん、花田紀凱さん(月刊『Hanada』編集長)にも似たところがあります。4人の共通項はいい加減。アバウト。ものすごくいい加減なのね。
筑紫さんも花田さんも岡留さんも、みんな女子にモテるんですよ。なんでモテるかというと、良い意味でいい加減なんです。筑紫さんなんて普段はダンディにカッコつけてタバコをふかしてるのに、飲み会になると「もう何でもいいよ」みたいな感じで急に優しくなっちゃう。イメージと実際のギャップが、若い女子からすると優しさに見えちゃう。勘違いして萌えちゃう。