学歴コンプレックスを抱えた母親による教育虐待を生き延びて見事東大に合格し、現在は公正証書を作って正式に親と絶縁した碓氷明日香さん(仮名・20代)。

 スマホに電源を入れるだけで叱責され、暴力や包丁を向けられる恐怖に耐えながら大学受験に成功した彼女を待っていたのは、まさかの状況だった。

 受験直前の「土下座事件」、上京後も続いた地獄の管理について話を聞いた。(全4本の3本目)

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東京大学 ©AFLO

――母親自身はどういう出自の方なのでしょう? 自身が東大出身とかそういうことなのでしょうか?

碓氷 両親ともに大学は出ていますが、母は地元の地方短大でした。父は有名な大学卒ですが、私が中学生の頃には離婚して家を出ています。母は高学歴の人のことを無条件で「すごい!」と思い込んでしまうタイプで、私への管理もいわゆる「学歴コンプレックス」から来るものだったと思います。

「自分は向上心がある人間だから高学歴の夫と結婚できた。レベルが高い」という母親

――本人が東大へ行きたかったけど叶えられなかった、とか?

碓氷 本人がいい大学に行きたかったかは不明ですが、一度「私も勉強すれば東大に行けた!」と話しているのを聞いたことがあります。

――というと?

碓氷 母は私のことが恐らく嫌いで、普段は会話なんてロクにしません。LINEですら「今から帰ります」「了解」のような簡素なやり取りしかしなかった。そんな母が、ある日ママ友と食事会に行った日の夜、珍しく私に興奮しながら話しかけてきたんです。「私、あの人たちとは合わないわ!」って、愚痴を。

――合わない、ですか。

碓氷 「ママ友たちの会話のレベルが低い」というんですね。自分は向上心がある人間だから読書をするし、高学歴の夫と結婚できた。それをしないママ友たちと違って自分は人間としてレベルが高い、と。

 挙句の果てに、「『女の子は短大でいいんじゃないか』みたいな雰囲気があったから地元の短大に甘んじてやったけれど、本気を出せば東大にも行けた逸材なんだ! 本当なら世界の第一線で活躍していたんだ!」みたいなことも言っていました。