母親による教育虐待としか言いようがない状況を生き延びて見事東大に合格し、現在は公正証書を作って正式に親と絶縁した碓氷明日香さん(仮名・20代)。

 毎日朝5時に起きて勉強をさせられ、スマホに電源を入れるだけで鬼LINE、機嫌を損ねれば無表情のまま冷酷に詰められ、顔への暴力、そして何度も包丁を向けられる恐怖体験……。

 常軌を逸した管理と威圧の中を彼女はどう生き延びたのか。分刻みの管理が行われていた中学・高校時代の壮絶な日常を聞いた。(全4本の2本目)

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写真はイメージです ©AFLO

――中学校に上がってからはいかがでしたか?

碓氷 親の仕事の都合で引っ越すことになり結局東京で中学受験はできず、引っ越した先の地方都市で合格したところに通いました。母親に「周りの子はめちゃくちゃ勉強しているのよ! 必死で食らいつきなさい!」と脅かされて頑張ってみたら、東京の中学受験に備えていたこともあってか学年2位を取れたんです。

母親が外出した瞬間にLINEをインストール、帰ってきたら即アンインストール

――それは、順調な滑り出しですね。

碓氷 でも、これが悪かったんです。母の期待値が上がってしまって、このあたりから「食事と睡眠以外はすべて勉強」が当たり前の生活が始まりました。中学生にもなると周りの子たちはみんなスマホを使い始めて、夜に友達とLINEしたり流行りの動画を観たり、教室でもそうした話題で盛り上がりますよね。私もスマホは買ってもらったんですけど母親がいる時間はほぼ使えず、友達の輪に入れなくてみじめな思いをしました。

――スマホ無しで学校生活を送るのは難しそうです。

碓氷 そこで、母が買い物に行く瞬間を狙ってスマホを使うようになりました。母が外出した瞬間にLINEをインストールして、気配を感じたら即アンインストール。そのうち大胆になっていって動画も観るようになりました。履歴を消して完全にバレないようにしていたつもりだったのですがなぜかバレて、2日間くらい怒られました。

――スマホで動画を観ただけで2日も怒り続けるんですか。

碓氷 生活に必要なことだけはやってくれるんですけど、食事の時間が15分から5分に短縮されるなど、細かい嫌がらせはいくつもありました。この時期からは母の怒るスパンが短くなってきて、週に3~4回くらいは何かにキレてて、1回キレると1日中ずっと不機嫌でした。なので、週7で謝罪しつづけていました。